がんになってショックだったのは子供に【わたしもそうなるんだね】と言われたこと 両側乳がんになりました195

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ショックだったのは子供に【わたしもそうなるんだね】と言われたこと

登壇した乳がんをり患した女性のひとことです。当時、彼女の下の子は4歳。興味からか『傷を見せて】と何度も言われたそうです。ショックを受けるのではないかと躊躇して心配して、先送りしていましたが、隠し続けるのもおかしいなと明るい雰囲気を心がけて見せたといいます。

『かっこいいでしょ』と。

すると、真顔で『うん、わかった。おかあさんになったらわたしもそうなるんだね)と。

とてもショックだったといいます。

「なるかもしれないし、ならないかもしれない。絶対に同じ病気になる、ということはないんだよ」と伝えたそうです。

この先も成長に応じて正しい知識と必要な知識を伝えることで必要以上に不安や恐怖をいだくことがないようにしたいと考えているそうです。

これは、札幌市民交流プラザで20日、がんセミナーが開かれたときの一コマでした。

私を含めて、乳がんを経験した3人が登壇し、治療しながら働き続けるためには何が必要なのかについて語り合いました。

必要なのは『大人のがん教育』

彼女はこう続けます。がん教育が広く実施されて親からだけではなく、学校などでも友達と一緒に正確な知識を得られる機会があると心強い、と。

がん教育は小学校から高校まで必修とされていますが、活用を期待されているサバイバーの声はまだほとんど届いていません。

一方、受け入れる側の大人もまったくがんについて知らない人も多い。知るのも怖い、という声も多いものです。

『上司の許可を得て、がんで休む、と知らせるメールを送ったらクレームが来た』

実際に起きた出来事、です。

がんサバイバーのみなさんからのアンケートを紹介しながら、『いま、企業内で起きていること』を会場のみなさんと語りあいました。

登壇した3人ともまったくバックグラウンドが違います。

それでも共通していたのは企業の支援制度や、リモートワークを活用した働き方はもちろん、患者が働きやすい企業風土が大事だということ。

私は「最初に相談される立場の上司ががんのことを少しでも知っていれば、患者は悩みが少なくなります。大人のがん教育、もしもに備えることが大事だと思います」と話しました。

診断されて最初は選ぶことがたくさんあります。

そのうえで働けるのかどうかも悩んでしまう。その助けになるのが上司の存在。

上司からの『過剰な心配』『過剰な配慮』は離職につながりますし、『排除』もしてはならないことです。

自分がどうしたいか話せる環境が一番大切。

3人がどう乗り越えてきたのか、は次回に続きます。

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