春ドラマ座談会「実力派事件ドラマ、日曜夜は脚本楽しむ」

『風間公親―教場0―』の主人公は木村拓哉の新たなハマり役

月9や日曜劇場など、各局が事件ドラマに気合を入れている今期。本誌ドラマウオッチャーが推し作品を“教え”ます♪ 題して、「女性による女性のため“2023春ドラマ”座談会」――今期は情熱のぶつかり合い!

20代編集K(以下・K):4月スタートの春ドラマ、『女性自身』が調べた期待度ランキングは『風間公親-教場0-』(フジテレビ系・月曜21時~)が1位でした。

50代記者H(以下・H):重厚な作りで、見応えがありますね。木村拓哉(50)が演じる刑事指導官と、新垣結衣(34)ら新人刑事との緊張感のある掛け合いは、表情ひとつ見逃せない!

30代記者S(以下・S):正直、あんな上司がいたら怖いけれど、キムタクが演じると品がある。新たなハマり役です。

H:キムタクが義眼になった原因も明らかになったね。犯人に刺された北村匠海(25)とキムタクの最後の会話に涙が出ちゃった。

K:いま、平均視聴率では、日曜劇場の『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系・日曜21時~)がトップです。

H:全盲の捜査官役の福山雅治(54)は、目の動きとかすごく研究したんだろうなあって。クセの強い役が似合いますよね。

K:バディ役の大泉洋(50)は、ふだんよりも抑えたお芝居だけど、福山雅治のマネをしたシーンは面白かったです(笑)。

S:上川隆也(58)が演じる警察庁次長がなぜ、福山を監視させているのか、謎が多いですよね。“12年前の強盗殺人事件”というワードも気になります!

H:刑事ドラマでは、桐谷健太(43)が元体育教師の情熱刑事を演じる『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』(テレビ朝日系・木曜21時~)は、検事や判事、それぞれの立場や役割がわかりやすく描かれています。人間関係がギスギスしていないので気楽に見られますね。

S:電車が突如、荒廃した未来にワープしてしまう『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』(TBS系・金曜22時~)は、赤楚衛二(29)が正義感のある消防士役でピッタリですね。

K:マイペースなスタイリスト役の山田裕貴(32)と、心優しい体育教師役の上白石萌歌(23)、旬の演技派がそろっています。

S:令和の『漂流教室』って感じですよね。同じくワープしたもう1両の人々も出てきて、展開が気になります!

K:『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』(カンテレ、フジテレビ系・月曜22時~)は、天海祐希(55)のコスプレが毎回楽しみ(笑)。

S:本人が楽しんでいるのが見ていて気持ちいいし、なんだかんだ頼りになる松下洸平(36)との掛け合いも面白いです。

H:男女バディものなら、芳根京子(26)・重岡大毅(30)コンビの『それってパクリじゃないですか?』(日本テレビ系・水曜22時~)もオススメ。新米の知的財産部員の視点で描かれているので、特許侵害とかの解説がわかりやすいのよ。

S:弁理士資格を持つエリートを演じる重岡大毅は、つっけんどんなところはあるけれど、最後は、芳根京子の気持ちに寄り添った解決方法を見いだしてくれる。クールなスーツ姿も似合います。

■“あなして”TVerのお気に入り登録者数が127万人!

K:恋愛ドラマでは、『わたしのお嫁くん』(フジテレビ系・水曜22時~)は明るく気軽に見られていいですね。

S:お嫁くん役の高杉真宙(26)がかわいい! あんな後輩がいたらいいなあ。先輩役の中村蒼(32)も優しいんですよね。

K:まさにOLの夢が詰まっていますよね(笑)。バリキャリだけど親近感も持てる波瑠(31)の演技もさすがです。

S:『王様に捧ぐ薬指』(TBS系・火曜22時~)は、ど貧乏なウエディングプランナー役の橋本環奈(24)と社長役の山田涼介(30)が美しくて、眼福!

K:美人ゆえにねたまれて、憎まれ口をたたくヒロイン像も新鮮。橋本環奈の初恋の人を演じる坂東龍汰(26)は理知的な雰囲気が素敵ですね。最近注目しています。

H:高畑充希(31)と田中圭(38)の『unknown』(テレビ朝日系・火曜21時~)はラブサスペンスなんだけど、コメディー要素もあって面白い。『おっさんずラブ』のスタッフが作っているせいか、吸血鬼役の吉田鋼太郎(64)が武蔵部長に見えてくるときがある(笑)。

S:田中圭の警察官もいい味出していますけど、カメラマン役の町田啓太(32)がカッコいい! あんな人がずっとそばにいたら気にならないわけがないですよ。

K:夫婦のセックスレスを描いた『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系・木曜22時~)は、TVerの“お気に入り登録者数”が127万人と今期1位。1人でこっそり見たいという人が多いんでしょうね。

H:奈緒(28)が演じるヒロインに共感する女性も多いと思うなあ。岩田剛典(34)が演じる上司とは、このままプラトニックラブで突き進むのかも気になるね。

K:じっくり見るなら、日曜夜の『だが、情熱はある』(日本テレビ系・日曜22時30分~)と『日曜の夜ぐらいは…』(ABC、テレビ朝日系・日曜22時~)がイチオシです。

S:『日曜の夜ぐらいは…』は清野菜名(28)と岸井ゆきの(31)と生見愛瑠(21)、この3人が演じる女性たちの人間ドラマがすごすぎる。セリフ一つ一つの内容が深くて、さすが岡田惠和さんの脚本ですね。

K:女3人集まっても恋愛トークとかほとんどないところがいいですよね。女性の友情が主軸になるドラマって、確実に需要があると思います。

H:清野菜名と岸井ゆきのに引けを取らない、めるる(生見)の演技力もすごい。祖母役の宮本信子(78)とのシーンも、距離感がいいのよ。

S:『だが、情熱はある』は、オードリーと南海キャンディーズを演じる若手4人が本当にそっくり! 声や話し方をすごく研究していると思います。

K:2人の人生が少しずつ重なっていく脚本も見事。今期は粒ぞろいですね!

【本誌記者たちのBEST3】

50代記者H:1位『風間公親-教場0-』/2位『ラストマン-全盲の捜査官-』/3位『日曜の夜ぐらいは…』

30代記者S:1位『ラストマン-全盲の捜査官-』/2位『だが、情熱はある』/3位『風間公親-教場0-』

20代編集K:1位『ラストマン-全盲の捜査官-』/2位『だが、情熱はある』/3位『あなたがしてくれなくても』

© 株式会社光文社