競り合う2人、19年ぶり大会新 県高校総体、陸上女子1500

〈女子1500メートル決勝〉優勝した柏倉四季(右、山形中央)と2位の本間香(左、同)。ともに大会新記録をマークした=天童市・NDソフトスタジアム山形

 第74回県高校総合体育大会は26日、陸上とボクシングが行われた。陸上の女子1500メートルは柏倉四季(山形中央)が大会新記録の4分25秒07で優勝した。2位の本間香(同)も従来の大会記録を更新する4分25秒28をマークした。男子八種競技は大島克範(鶴岡工)が5489点で頂点に立った。女子100メートルは赤坂美結(山形中央)が12秒03で制し、25日に行われた400メートルと合わせて2冠をつかんだ。

全国へ「一緒に成長」誓う

 【ヒロイン】女子1500メートルは柏倉四季と本間香の山形中央勢による激しいマッチレース。ゴール直前まで競り合った2人は、ともに19年ぶりの大会新記録をマークした。逃げ切って2年連続の頂点に立った柏倉は「2人だから最後まで粘り強く走れた。100点のレース」と笑顔で振り返った。

 2人は序盤からギアを上げ他選手をぐんぐん引き離し、早々に一騎打ちとなった。中盤の走りを課題としていた柏倉は、この日はリズムよくピッチを刻みペースを保った。「いける。調子がいい」。設定より3秒早く1200メートルを通過。きつくなったラスト1周には、迫る本間を背中で感じた。一番身近なライバルに負けたくない。その気持ちが足を最後まで動かした。

 2位の本間は、練習も含め柏倉に勝ったことがないと話す。この日も「後ろを付いていくので精いっぱい。力を借りながら走った」。だが満足はしない。「気持ちでは負けない。限界まで追い続けて、次は勝つ」と力を込めた。

 同種目は宮城県に実力者が多く、全国切符をつかむにはもう一段階レベルアップし、東北予選を突破することが必要だ。その壁を越えれば全国入賞にも手が届く。「一緒に成長していく」。2人は堅く誓い合った。

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