皆藤製作所が立地協定 電池製造装置新工場 県、市と締結 長崎

立地協定を結んだ(左から)大石知事、皆藤社長、鈴木市長=県庁

 リチウムイオン電池や電子機器コンデンサーなどの製造装置の製造、販売を手がける皆藤製作所(滋賀県草津市)は26日、長崎市田中町の企業用地に建設する新工場の立地協定を長崎県、長崎市と結んだ。2024年10月開業予定。5年間で35人の雇用を見込む。
 同社は、電池やコンデンサーの製造工程で複数の素材を円筒状にまとめる「巻取機(まきとりき)」の製造技術で高い評価を受ける。リチウムイオン電池を発明し、ノーベル化学賞を受けた吉野彰氏の試作品開発にも携わった。同社が滋賀県外に製造拠点を設けるのは初めて。電気自動車(EV)増加などを背景に、今後の需要拡大を見込み、生産能力増強を図る。
 西九州新幹線のトンネル工事で生じた残土を用いて造成した企業用地に鉄骨2階建ての工場を建設する。当面は装置の一部を製造し大津市のマザー工場に送る役割を担うが、将来的には装置の一貫生産を目指す。
 県庁で大石賢吾知事、鈴木史朗市長、皆藤公輔社長が協定書に調印。皆藤社長は立地のメリットとして、優秀な人材、サプライヤーの確保や地震の少なさを挙げ「進出するからには地域に認められ、貢献できるように頑張りたい」と意欲を語った。大石知事は「地場企業との協業でビジネスが広がることに期待している」と述べた。

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