ウクライナに放射線測定器 NASHIMは研究機関へ9台寄贈

放射線測定器を受け取ったウクライナの医療従事者ら(オンライン画面)と、森崎会長(左)=長崎市茂里町、県医師会館

 長崎県や県医師会、長崎大などでつくる長崎・ヒバクシャ医療国際協力会(NASHIM=ナシム)は26日、核被害者の治療や研究で連携するウクライナ国立放射線医学研究センターに、放射線測定器9台を贈った。
 ナシムは1992年に設立。被爆地長崎で培われた被爆者医療などの知見を生かし、チェルノブイリ原発事故の被災地ウクライナや核実験地カザフスタンなどの医療従事者に対する研修や、長崎の専門家を派遣する事業などを続けてきた。
 一方、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の拡大で相互交流が停止。さらにウクライナではロシア軍の原発攻撃で放射能汚染の恐れも高まっており、ナシムは協力事業の一環として測定器寄贈を決めた。
 オンライン贈呈式が26日あり、ナシムの森崎正幸会長(県医師会長)は「緊迫した状況が早く解決し、平和で安全な生活が戻ることを祈る」とあいさつ。同センターのドミトリー・バジーカ所長は「チェルノブイリ事故後と同じように、戦争という困難な時に支援をいただき感謝する」と謝辞を述べた。

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