まちに新店続々 新型コロナ5類移行で、和歌山・田辺

オーガニック食品や伝統的製法の調味料などが並ぶ「IRODORI」の店内。量り売り商品もある(和歌山県田辺市湊で)

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行したのに前後して、和歌山県田辺市のまちなかで新規出店が相次いでいる。人の動きが活発になる中、商業もアフターコロナの波に乗ろうとしている。

■健康志向にフィット

 田辺駅前商店街にオープンしたセレクトショップ「IRODORI(イロドリ)」は、オーガニック食品や伝統的製法による調味料、キッチン用品などを販売している。

 本店は那智勝浦町にある。田辺市周辺の顧客も多く、「身近に店舗があればいいのに」という要望を受け、商店街の空き店舗への出店が決まった。

 開店は7日。「5類」移行のタイミングと偶然重なった。オーナーの中村美奈子さんは「コロナで健康志向が高まり、本店も忙しくなっていた。田辺でもそうした需要に応えたい」と話している。

 営業は午前11時~午後5時。水曜と木曜定休。

■愛着持てる雑貨

 末広町の雑貨店「nene(ネネ)」は、先月12日にオープンした。1階で食器や芳香性製品などの雑貨、2階でドライフラワーを販売している。

 「手に取りやすい価格ながらも、愛着を持って使える『ちょっといいもの』を並べている」という。ドライフラワーを使ったラッピング(有料)サービスにも力を入れている。

 オーナーの市田早耶さんは1年前から開店準備を進めていたが、当時はコロナの収束が見込めず不安もあった。今年に入って5類移行のニュースを聞いて「タイミング良く開店できる」と胸をなで下ろしたという。人が集まれるようになり「今後はドライフラワーのワークショップなども開きたい」と話している。

 営業は午前10時~午後6時。水曜定休。

■おいしく地産地消

 田辺市天神崎には、クレープやフレンチトースト、おにぎりが味わえる「DIYカフェ『apricоt(アプリコット)』」が先月28日にオープンした。

 フルーツや野菜、米は地元産を使用。「季節のものを味わってもらいたい。地産地消を大切にして、地元の生産者を応援したい」という。

 下家ゆかり店長は「お客さんもスタッフもわいわいと楽しい時間を過ごせる店にしたい。幅広い世代に集いの場として利用してもらえればうれしい」と話している。

 営業は午前9時~午後7時。水曜定休。

雑貨が並ぶ「nene」の店内。2階にはドライフラワーを並べている(和歌山県田辺市末広町で)
DIY風の机や椅子で食事やカフェを楽しめる広々とした「apricоt」の店内(和歌山県田辺市天神崎で)

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