壊れたおもちゃ、でも捨てられない…無料で修理します 思い出もよみがえる「病院」姫路駅前で人気に

不具合が起きたおもちゃの状況をスタッフに説明する女性=姫路市駅前町、グランフェスタ

 無料で壊れた玩具を修理してくれる「おもちゃ病院」が月1回、JR姫路駅前の商業施設グランフェスタで開かれている。年代物のラジコンカーやぬいぐるみ、鉄道玩具などが次々と持ち込まれ、シニア世代のボランティアスタッフが修理する。再び動くようになったおもちゃを手にした依頼者からは、「あぁ、よかった」といった喜びの声が上がる。次回は6月21日午前10時~午後3時。(井上 駿)

 同施設の運営会社が企画し、今年4月から始めた。ボランティア団体「日本おもちゃ病院協会」(東京)による養成講座を受けた、12人のスタッフがその場で修理する。時間がかかる場合は、1カ月後の次の開催日に返却する。原則無料だが、部品代は実費で、修理できないケースもある。

 「息子のお気に入りが急に音が出なくなってしまって」「幼いころの思い出が詰まっていて、諦めきれなくて」。2回目の開催となった今月17日には、午前10時のオープンとともに子育て中の母親らが次々におもちゃを持ち込んだ。

 「何で動かへんのやろか」。作業スペースでは、スタッフ同士で相談しながら車の玩具を分解。部品やモーターを確認し、作業に没頭していた。アマチュア無線が趣味というスタッフの一人、三木義則さん(67)=兵庫県太子町=は「機械いじりが趣味なので、恩返しのつもりでやっています。涙を流して喜んでくれる人がいて、やりがいがある」と話した。

 動く犬のぬいぐるみを修理してもらった姫路市のパート女性(37)は「1歳の息子のお気に入りなんですが、踏みつけて壊れてしまった。直ってよかった」と胸をなで下ろした。

 企画した運営会社営業部の宮本茉美さんは「壊れやすいけど、子どもの成長の思い出があって捨てられないもの。ぜひ大切にしてもらいたい」と呼びかける。

 毎月第3水曜日に開催。電池や説明書があれば一緒に持参する。ボランティアスタッフも募集中。運営会社「フェスタ」TEL079.221.3500

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