サバ不漁、沿岸から沖合へ移動か 水揚げ4割近く減、缶詰一時停止

千葉県銚子市の銚子漁港のサバの水揚げの様子=2020年12月(同市提供)

 日本の食卓に欠かせないサバの不漁が続いている。2022年の主要漁港の水揚げ量が前年比で4割近く減り、今年2月には水産加工会社が缶詰の出荷を一時停止した。日本で多く取れる太平洋のマサバの不漁要因は資源量の減少ではなく、水温の変化により漁場である沿岸から回遊経路が沖合に移動したためと、国立研究開発法人「水産研究・教育機構」は推定している。

 農林水産省によると、サバの全国の漁獲量は1978年に162万トンだったが、近年は40万~50万トン程度で推移。22年の主要漁港に限った水揚げ量は、漁業情報サービスセンター(東京)の調べで23万トンと、前年の36万トンから大幅に減少した。

 水産加工大手の極洋は今年2月、記録的な不漁や水揚げされるサイズの小型化を理由に、サバ缶28品の一時休売を発表した。調達先の新たな開拓などで5月に出荷の順次再開にこぎ着けた。安定供給のめどは立ったものの、同社は「依然として厳しい状況が続いている」と説明する。

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