バイエルンが逆転で11連覇達成! 89分のムシアラ勝ち越し弾でドルトムントとの壮絶優勝争い制す《ブンデスリーガ》

写真:Getty Images

ブンデスリーガ最終節、ケルンvsバイエルンが27日にライン・エネルギー・シュタディオンで行われ、アウェイのバイエルンが1-2で勝利。この結果、バイエルンの11年連続通算33度目の優勝が決定した。

バイエルンは前節、RBライプツィヒ相手に痛恨の逆転負けを喫し、ドルトムントに2ポイント差での首位奪還を許した。自力での11連覇の可能性が潰え、DFLスーパーカップこそ制したものの、今季のシーズン無冠が現実味を帯びてきた。

それでも、マインツの後押しを期待しつつ、土壇場での逆転優勝を目指すトゥヘルのチームは、10位ケルンのホームに乗り込んで2試合ぶりの白星を目指した。前節からは先発3人を変更。カンセロとゴレツカ、ムシアラに代えてウパメカノ、グラフェンベルフ、サネを起用した。

同時刻開催の首位チームに圧力をかけるため、前半早い時間帯のゴールを目指していくバイエルン。立ち上がりからボールを握って相手を押し込んでいく。

すると、8分にはカウンターの形から中央でボールを受けたサネがボックス左に走り込むコマンへスムーズにパスを繋ぐと、コマンが鋭いカットインからファーポストへ完璧な右足のシュートを突き刺した。

幸先よく先制に成功したバイエルンは畳みかける攻めで2点目を狙う。19分には右サイド深くでパヴァールが入れたクロスをゴール前のミュラーが頭で合わすが、これは惜しくも右ポストを叩く。

このピンチを凌いだ直後にはケルンに最初の決定機。23分、前線でロングボールを収めたゼルケのポストワークからゴール前に飛び出したマルテルに決定機も、ここはDF2枚に寄せられた影響もあってシュートを枠外に外した。

何とか同点ゴールを回避したものの、このプレーをきっかけにケルンを勢いづかせたバイエルンは、球際で高い強度を見せるホームチームに対して中盤でのボールロストが増え始める。そして、相手の狙いとするカウンターで引っくり返される場面も散見。

相手のアタッキングサードのプレー精度によってピンチには至らずも、前半半ば以降は決定機はおろかフィニッシュまで持ち込めないバイエルン。前半終了間際の45分にはニャブリとのワンツーでボックス内に侵入したサネが絶妙な左足シュートでゴールネットを揺らす。だが、オンフィールド・レビューの結果、起点となった際のサネのトラップがハンドだったとしてゴールは取り消しとなった。

前半を1点リードで終えた上、首位のドルトムントが0-2で前半を終えたことで、暫定首位で後半45分の戦いを迎えたバイエルン。

早い時間帯に2点目を奪って試合を決めたい考えはあるものの、不用意なボールロストからの被カウンターを嫌って慎重な戦い方が目立つ。57分には右で背後を取ったコマンのクロスにファーのサネが反応するが、ヘディングシュートを枠に飛ばせない。逆に、この直後にはカインツの右CKをゼルケにパワフルなヘディングで合わせられるが、ここはGKゾマーの好守で凌いだ。

なかなかうまくいかない状況を受け、トゥヘル監督はミュラー、コマン、負傷のグラフェンベルフを下げてカンセロ、チュポ=モティング、ゴレツカを投入。守備のバランスと共に配置に微調整を施す。

この交代で若干流れを改善したが、幾つかのチャンスを決め切れずにいると、後半の微妙な試合運びのツケを払うことに。79分、ケルンのCKの流れから相手のクロスをボックス付近のニャブリが手を使ってブロック。一度はエリア外でのハンドの判定となったが、VARの介入によってボックス内でのハンドと判定が変わって痛恨のPK献上。これをキッカーのリュビチッチに決められて81分の同点ゴールとなった。

これで逆転優勝へ再びゴールが必要となったアウェイチームは、85分にマズラウィ、インアンドアウトの形となったゴレツカに代えてテルとムシアラの若手アタッカーコンビを投入。すると、指揮官のこの采配が土壇場での劇的ゴールを演出した。

89分、テルのスルーパスに抜け出したサネはGKとの一対一のチャンスを逃したが、このクリアボールを回収した二次攻撃でニャブリからボックス付近でボールを受けたムシアラがゴール右隅へ正確な右足のシュートを流し込んだ。

そして、土壇場で勝ち越したバイエルンはこのままホームチームの攻勢を凌ぎ切って1-2の勝利。さらに、同時刻開催の試合でドルトムントが2-2で引き分けことで、勝ち点71で並ぶも得失点差で上回ったバイエルンの逆転での11連覇が決定した。

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