岩佐歩夢「ドライビングの分析が必要」ダルバラ「SC後にパンクの警告が」/FIA F2第6戦 レース1会見

 5月27日にモナコのモンテカルロ市街地コースで開催された2023年FIA F2第6戦のスプリントレース(決勝レース1)。優勝した岩佐歩夢(ダムス)、2位のユアン・ダルバラ(MPモータースポーツ)、3位のジャック・クロフォード(ハイテック・パルスエイト)がレース終了後の記者会見に登場し、決勝レース1の戦いを振り返った。

 苦戦を強いられた前戦バクーを経て、今季3勝目、モナコでは自身初の優勝を飾ったホンダ&レッドブル育成の岩佐歩夢は、モナコでの復調ぶりを「ポジティブなことだと思います」と語る。

「フリー走行ではトップタイムを記録することができましたが、残念ながら昨日の予選では、スピードがあったにもかかわらず、求めていた結果を逃すかたちとなりました。スプリントレースでの勝利は、ドライバーとして最低限のリカバリーだと思いますし、今日の結果やレースでのスピードには満足しています。そして、明日のフィーチャーレースに向けてもかなりプラスになると思います」

「マシンについては、予選やフリー走行と同じような感じでした。ドライビングはそれほど難しくなく、レースではペースとタイヤ管理に専念しました。レースペースは悪くはありませんでしたが、完璧でもありませんでした。改めて、今日の自分のドライビングを分析してみる必要があると思います」

 そして、会見ではFIA F2公式の司会者より「レース中盤に少しペースが上がらなかったということですが、アイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト)が最初のセーフティカーの後にリタイアしていなかった場合、どのようにオーバーテイクを仕掛けていたと思うか」という問いかけがあった。

 それに関して岩佐は、「正直なところ、SCの前に何周も走っていたわけではないので、何とも言えませんね。もしかしたらレースペースは彼より少し良かったかもしれませんけど、ここはモナコなのでオーバーテイクを仕掛けるにしても難しかったのではないかと思います」と答えた。

2023年FIA F2第6戦モンテカルロ 岩佐歩夢(ダムス)

 そして、昨年のスプリントレースでも2位と、2年連続の2位入賞となったダルバラは今年のスプリントレースは「よりチャレンジングだった」と評した。

「モナコでオーバーテイクを仕掛けるのはとても難しい。だから、僕の目標は歩夢にプレッシャーをかけることだった。だが、彼はミスをしなかった。それに、2度目のSC後はダッシュボードにパンクの警告が出たんだ」

「スローパンクチャーでガードレールにぶつかることは嫌だから、ペースを落とすことにした。どのコーナーでも早めにブレーキを踏んだから、2度目のリスタート後にギャップが4〜5秒も開いたけど。それでも、僕は無事にクルマをチェッカーまで持ち帰ることにしたんだ」

 また、ダルバラは今日の学んだことを尋ねられ、「周回を重ねると、クルマのバランスが大きく変化してしまい、(ドライビングが)難しくなると学べた。それ以外にもポジティブなものを得られたよ」と答えた。

「オーバードライブではなかったけれど、今日に関してはいいペースで走れたと思う。もちろん、限界に近いところまでプッシュしていたけれど、コントロールできないことはなかったね。クルマは常に良かったし、いいペースだった」

 ハジャルの後退以降3位に浮上も、岩佐、ダルバラからはレースペースで溝を開けられたクロフォードは「序盤の2周にパンクの警告が出たから無理をせずに走った」と明らかにした。

「(シーズンが進むにつれて)調子は上がっていると感じているよ。今季これまでの予選成績はまずまずなんだ。それが、過去スプリントレースで3回の表彰台を獲得できた理由だよね。でも、僕たちはレースペースを改善し、より大きなポイントが得られるフィーチャーレースに向けて戦いを続ける必要があると感じているよ」

 28日に行われる2023年FIA F2第6戦フィーチャーレース(決勝レース2)は、岩佐が9番グリッド(内側)から、ダルバラが8番グリッド(外側)から、そしてクロフォードが7番グリッド(内側)からスタートを迎える。

2023年FIA F2第6戦モンテカルロ レース1表彰式

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