棚田百選の景観に全国のオーナー笑顔 富山県氷見市

「日本の棚田百選」に選ばれている棚田で田植えを楽しむオーナー

 富山県氷見市長坂地区の棚田オーナー事業が27日行われ、県内外の33組154人が「日本の棚田百選」の景観を満喫しながら田植えを楽しんだ。

 25年目の今年は県内と東京都、大阪府、神奈川、愛知、石川県から、2006年度以降では最も多い45組のオーナーが登録し、うち17組が新規参加となった。

 オーナーは植え付けの説明を聞いた後、はだしなどで田んぼに入った。富山湾越しの立山連峰はかすんで見えなかったものの、里山の景色を見ながらコシヒカリの苗を植えた。地元農家でつくる椿衆や姫椿衆の約30人が手伝った。

 田植え後は棚田が見渡せる高台で住民手作りの塩むすびなどを味わいながら交流した。東京都世田谷区、自営業、山崎大樹さん(39)は子どもに体験をさせたいと初めてオーナーに登録。「2人とも楽しそうに田んぼに入って喜んでいた」と話した。

 石川県白山市から両親らと訪れた児玉和紗さん(10)は「初めての田植えで緊張したが助け合って楽しくできた。くっきり山が見え、気持ち良かった」と笑顔を見せた。

 9月にはオーナーによる稲刈りとはさ掛けを予定している。

 この日は郷土料理作りや宿泊を通して長坂の暮らしを体験するプログラムも行われ、希望したオーナーらが参加した。

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