青森県知事選投票まで1週間 4候補の訴えさらに熱く

 任期満了に伴う知事選は6月4日の投開票まで1週間となった。前むつ市長の宮下宗一郎(44)、元むつ市議の横垣成年(63)=共産、社民推薦、前青森市長の小野寺晃彦(47)、仙台市の元損害保険会社社員・楠田謙信(66)の4候補は27日、買い物客らでにぎわう商業施設前や中心市街地を中心に街頭活動を実施。選挙戦後半に突入し、訴えは一層熱を帯びた。支持拡大へ、各陣営は「個人演説会を重ねる」「農漁村に細かく分け入る」など終盤の戦略を描く。

宮下候補
 宮下候補は八戸市中心部で27日最後の街頭演説を行った。手作りの応援うちわなどを掲げる聴衆に「ありがたい。でも投票していただかなければ私はリーダーになれない。皆さんの1票をぜひ宮下宗一郎に投じてほしい」と呼びかけた。

 自民、立憲民主両党の県議が並び、政党を超えた支援態勢を印象づけた。自民党の大崎光明県議は「期日前投票に行ってほしい。(投票日の)6月4日に行く人は家族、友人を連れて行ってほしい。その積み重ねがニューリーダー宮下宗一郎をつくる」と訴えた。

 選挙戦後半は個人演説会を各地で開き、支持拡大へ追い込みをかける方針。陣営関係者は「一人でも多くの有権者に候補者の話を聞いてもらうだけ」と語る。

横垣候補
 横垣候補は上十三地域を巡り、街頭演説で「自民党の枠を取っ払い、本格的に青森を変える横垣をトップにするかどうか。これが問われている」と他候補との違いをアピールした。

 十和田市と七戸町では共産党の高橋千鶴子衆院議員も並び立ち、「知事選の選挙公報では横垣候補以外に誰も基地問題や核燃サイクル問題に触れていない。青森県はこれを避けて通ることはできないのに」と応援演説した。

 陣営は残り1週間、有権者が多い地域を中心に回る方針だ。

 青森市長選が告示される28日には、同選挙に出馬する「市民連合あおもり」共同代表の大竹進氏とともに、同市で共通する政策を訴える。

小野寺候補
 青森市の大型商業施設前。「皆さんの力でリンゴのように花を咲かせ、有益な果実を実らせてほしい」。小野寺候補の応援に駆けつけた自民党の今井絵理子参院議員の演説に、多くの聴衆が耳を傾けた。

 隣には同党の江渡聡徳、木村次郎両衆院議員が並び、三村申吾知事も熱弁を振るった。小野寺候補は「みんなが花を咲かせてくれる、その束ね役になれれば本望」と今井氏の演説を引き合いに支援を訴えた。

 陣営によると、週明けからは議員団など支援組織が比較的充実する都市部ではなく、農漁村や山間部をできるだけ広く細かく回る方針。選挙カーで連呼して巡りつつ、握手を重ね「確実な1票」(後援会幹部)を積み上げたいという。

楠田候補
 楠田候補は青森駅前で街頭演説。農林水産業の振興による県民所得倍増を訴えた。公約に盛り込んだ「鳩似鳥(はとにどり)」は商品名であるとしたが、模倣を防ぐため詳細は明かさなかった。

 孤軍奮闘する楠田氏に共感したという市内の支援者も並び、「楠田さんこそ本当の草の根」と強調。協力を得て、ポスターは6300枚中3千枚を張るめどがついた。「残り1週間、政策を届けるため各地に出向く」と力を込めた。

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