太鼓田植 男衆と早乙女テンポよく 新見で保存会と神代小児童が実演

「太鼓田植」を披露する保存会メンバーと神代小児童ら

 新見市神郷下神代の夢すき公園で28日、岡山県重要無形民俗文化財の「太鼓田植(たうえ)」が披露され、観光客らが江戸時代中期に始まったとされる伝統的な田植え作業に見入った。

 地元の神代郷土民謡保存会メンバーと神代小児童の計約30人が、公園内の水田(約2アール)で実演。「さげ」と呼ばれる男衆が打ち鳴らす太鼓の音と田植え歌に合わせ、紺がすりの着物に編みがさ姿の「早乙女」がテンポよく苗を植えていった。

 岡山市中区の見学者(83)は「太鼓と手植えに趣があった。大変だと思うが、いつまでも伝統を残してほしい」と話していた。

 太鼓田植は太鼓や歌で作業のきつさを少しでも軽くし、能率を上げるために行われていたが、農業の機械化で衰退。新見市では二つの保存会が伝承に取り組んでおり、6月11日には後楽園(岡山市)で開かれる「お田植え祭」で披露する。

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