【中国】工業企業の利益低迷続く、製造業不振[経済]

中国国家統計局は27日、全国工業企業(一定規模以上)の2023年1~4月の利益が前年同期比20.6%減の2兆328億8,000万元(約40兆4,500億円)だったと発表した。減少幅は1~3月から0.8ポイント縮小したものの、製造業界の需要の弱さが依然続いている。

3大業種別の利益を見ると、全体の7割近くを占める製造業は27.0%減の1兆3,723億7,000万元となった。減少幅は1~3月から2.4ポイント縮小。採鉱業は12.3%減の4,752億4,000万元で、下げ幅を6.5ポイント広げた。電力・熱・ガス・水の生産・供給業は34.1%増の1,852億7,000万元だった。

より細かい業種別では、全41業種の66%に当たる27業種が減益を記録した。増益は13業種、利益横ばいが1業種だった。下げ幅の大きい業種が目立ち、鉄金属精錬・圧延加工業は99.4%減、石油・石炭・その他燃料加工業は87.9%減、化学原料・化学製品製造業は57.3%減、非鉄金属精錬・圧延加工業は55.1%減、コンピューター・通信・その他電子設備製造業は53.2%減、紡織業は30.2%減など。

一方、電力・熱の生産・供給業は47.2%増と伸び幅が大きく、電気機械・器材製造業は30.1%増、汎用(はんよう)設備製造業は20.7%増となった。自動車製造業は2.5%増。

工業企業の利益を企業形態別で見ると、国有企業は17.9%減の7,579億8,000万元、株式制企業は22.0%減の1兆4,962億4,000万元、外資企業(香港・マカオ資本などを含む)は16.2%減の4,679億9,000万元などだった。

工業企業の売上高は0.5%増の41兆700億元。1~3月の0.5%減からプラスに転じた。営業コストは1.6%増の34兆9,800億元だった。売上高利益率は4.95%で、前年同期から1.32ポイント下がった。

4月単月の利益は前年同月比18.2%減で、前月から減少幅が1.0ポイント縮まった。減少幅縮小は2カ月連続。このうち外資企業は16.3%増となり、前月のマイナスからプラス転換した。売上高は3.7%増。伸び幅は前月から3.1ポイント拡大した。

4月末時点の企業の負債比率は57.3%で、前年同月末から0.3ポイント上がった。製品在庫は5.9%増。総資産は7.3%増の158兆5,500億元。

国家統計局は、工業企業の業績は回復に向かっているものの、国際環境の複雑化や需要不足などの悪材料を背景に、工業企業の利益上向きには多くの困難があると指摘した。

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