【ベトナム】南部のLNG基地、7月に試験稼働へ[資源]

国営ベトナム石油ガスグループ(ペトロベトナム、PV)傘下のペトロベトナムガス(PVガス)は25日開いた2023年の年次株主総会で、南部バリアブンタウ省ブンタウ市チーバイ港の液化天然ガス(LNG)受け入れ基地の試験運転を7月初旬にも始めると明らかにした。ダウトゥ電子版が伝えた。

現在、国内の電力供給が需要に追い付いていない状況が続いていることから、第3四半期(7~9月)のできるだけ早い時期に試験運転を始め、気化したガスを周辺のガス火力発電所などに供給する。PVガスは今月、英石油大手シェルのシンガポール子会社シェル・イースタン・トレーディングからLNGを調達する契約を交わしていた。

チーバイLNG基地の処理能力は当初年100万トンだが、将来的に年300万トンに引き上げる計画だ。同社はLNGを確保するため、国内外でガス採掘プロジェクトへの投資を検討するとしている。米電力大手のAESグループと共同で建設を計画する南部ビントゥアン省ソンミー第2LNG火力発電所とLNG受け入れ基地については、第3四半期(7~9月)に事業化調査を更新し、商工省などに提出すると報告した。

PVガスは23年の収益計画として、売上高を前年比25.4%減の76兆4,410億ドン(約32億5,500万米ドル、4,578億6,500万円)、税引き後利益(純利益)を56.6%減の6兆5,390億ドンとする目標を示した。世界的な景気後退でガスの販売量が減少する一方、国内ガス田が急速な減少期に入っており、採掘コストの上昇が利益を圧縮する見通しだ。

■新社長にLNG事業責任者のフォン氏

ペトロベトナムガスは27日の取締役会で、副社長で同社が出資する関連会社LNGベトナム社長を務めていたファム・バン・フォン氏を新社長に、副社長のグエン・タイン・ビン氏を会長に選出した。

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