【ミャンマー】為替レート「変更の計画ない」、中銀発表[金融]

ミャンマー中央銀行は26日、外国為替の公定レートを「変更する計画がない」と発表した。通貨チャットの実勢レートが弱含み乖離(かいり)が進んでいることをけん制し、「『虚偽情報』を広める為替操作行為を取り締まる」と表明した。

中銀は2022年8月に公定レートを1米ドル=1,850チャットから同2,100チャットに切り下げて以降、据え置いている。一方、外貨取引の実質的な指標とされる闇レートの情報サイトによると、27日午後時点の相場は1米ドル(約141円)=2,940~2,950チャットと再び3,000チャット台に迫っている。

中銀は、米ドルとの流動性を保ち、外為相場の安定につなげようとしていると主張。「虚偽情報」を広める為替操作行為が横行しているとして、取り締まりを強化する方針を示した。

ミャンマーでは2021年2月に軍事クーデターが勃発し、軍政下で経済統制が強まっている。中銀は昨年4月以降に銀行口座の外貨をチャットに両替することを義務付けるなど外貨規制を強化し、実勢レートの大幅な下落を引き起こした。チャット相場は8月末、過去最安値となる1米ドル=4,500チャット前後まで下がっていた。

国内における外貨売りは、割高な公定レートでの取引を避ける傾向がある。

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