キングス「最高」 Bリーグ初V ファン一体 喜び爆発

 選手、会場のファンが待ち焦がれたその一瞬がついに訪れた。プロバスケットボールBリーグのチャンピオンシップ(CS)決勝で、琉球ゴールデンキングス(西地区1位)が初優勝を飾り、日本の頂に上り詰めた。「沖縄が日本一。さいこー」。握りしめていた拳が歓喜の拍手と万歳へ一変した。

 試合の入場者数は1万3千人を超え、千葉ジェッツのチームカラーの赤とキングスの金色で会場は埋め尽くされた。観客席からの声援のボルテージも上昇の一途。「ゴーゴー、キングス」。声を枯らし、選手の一挙手一投足を見詰めて応援した。

 第1クオーターは岸本隆一選手と今村佳太選手がスリーポイントを決めた。「これはいける」。金色の全身タイツ姿で応援した愛知県の50代の会社員男性は勝利を確信した。リーグ制覇の偉業に「うれしい。ほんと、それだけです」。バスケの試合の観戦歴は長いが「今までで本当に一番の試合だった」と手放しの褒めようだった。

 「めっちゃうれしい」。那覇市から観戦に来た大学生の金城由依さん(20)は、友人の上原凜さん(20)と共に感極まった。昨年のCS敗退を目前にし、ほぞをかむ思いがあった。それだけに喜びもひとしお。今回のCSでは「選手たちに『絶対に優勝する』という気迫が強くあった。気持ちの入り方が全然違った」。優勝の瞬間に立ち会って「勇気をもらえて、『頑張れ』と背を押してもらった」

 キングスのホームタウン、沖縄市出身の我喜屋詩乃さん=神奈川県=は「選手一人一人が自らがやるべきことをしっかりやって一体感があった」と試合の流れを振り返る。キングスの日本制覇で「やっと地元が盛り上がれる」。ふるさとの快挙を何より喜んだ。 (斎藤学)

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