吉高由里子さん、福井の印象は「カニですよね、大好物」 大河ドラマ「光る君へ」で福井県越前市ゆかりの紫式部役、京都で撮影開始 

「光る君へ」で福井県越前市ゆかりの紫式部を演じる吉高由里子さん(左)と藤原道長役の柄本佑さん=5月28日、京都府京都市の平安神宮

 福井県越前市ゆかりの紫式部の生涯を描く来年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の撮影が5月28日、京都府京都市左京区の平安神宮で始まった。制作者は、式部が唯一都を離れて暮らした越前国でのシーンが予定されていることを明らかにした。式部役の吉高由里子さんは、福井に向けて「撮影場所としてうかがえたらうれしい。福井県でもこの話を盛り上げてください」と笑顔でメッセージを送った。

 「光る君へ」は貴族の世界を才能と努力で懸命に生き抜いた式部の物語。恋愛長編の源氏物語を生み出した背景の一つとして、心を寄せる最高権力者の藤原道長との関係性が描かれる。式部は越前国で結婚前の1年余りを過ごした。藤原宣孝から求婚され、揺れる思いを抱いていたとされる。

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 越前国のシーンについて、制作統括の内田ゆきチーフプロデューサーは福井新聞の取材に「人との出会いか、土地の文化との出合いになるのか分からないが、彼女が新しい何かを得て都に戻るというふうに描けるようにしたい」と話した。

 撮影後の取材会では、吉高さんと道長役の柄本佑さんが平安衣装で登場。吉高さんは「(ドラマでは)紫式部は好奇心旺盛な多感な女の子。成長とともに源氏物語がどう描かれていくのかを演じたい」と抱負を語った。福井の印象については「カニですよね。わたしはカニが大好物。福井県の皆さんも受け入れてくださるなら、わたしは地方ロケが好きなので。1週間ぐらいいたら1日ぐらいはおいしいものが食べられるかな」と屈託のない笑顔を見せていた。

 柄本さんは道長について「時の権力者だけれど、(台本では)のんびりしていて牧歌的な部分がある人物像。想像する余地がたくさんあるので自分がどうできるのか探っていきたい」と意気込んだ。

 越前市の山田賢一市長は「光る君へ」放送が来春の北陸新幹線県内開業と重なることも見据え、「越前の場面がどのように描かれるのか、ますます期待が膨らんでいる。この機会に越前の歴史・文化・産業をより多くの人に知ってもらいたい」とコメントした。

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