映像作家の発信拠点に 茨城・日立 「ひたち映画祭」初開催 「回復タイム」グランプリ

俳優の宮崎美子さん(2列目右から2人目)らと記念撮影する入賞者たち=日立市東滑川町

短編映画のコンテスト「第1回ひたち映画祭」が28日、茨城県日立市東滑川町のシネマサンライズで開かれた。「希望」をテーマに国内外から寄せられた応募作品117点の中から上位8作品が上映され、約230人の観客が来場。審査の結果、山口智誠監督(35)=東京都=の自主制作映画「回復タイム」がグランプリに輝いた。

同実行委員会が初めて開催。海と山に囲まれた茨城県北地域の豊かな自然環境を全国にアピールするとともに、同市を映像クリエーターの発信拠点にしていこうと、県北唯一の映画館のシネマサンライズが中心となり企画した。今後は毎年開催を予定する。

公募作品は、映画製作の基本とされる15分以内のショートフィルム。同日は実写やアニメなど多様なノミネート作品が上映された。グランプリの山口監督は、仕事に悩む会社員の女性とヒーローを名乗るおじさんの交流を描き、「自信につながる賞になった」とトロフィーを掲げた。

日立にゆかりのある映画「たたら侍」も特別上映され、錦織良成監督と出演した俳優の宮崎美子さんがトークショーに登壇。審査員も務めた錦織監督は「若い人のみずみずしい作品に元気をもらえた」、宮崎さんは「映画は見る人が育てていく。映画祭もぜひ大きく育ってほしい」と語った。

ほかの入賞者には同市長賞や茨城新聞社長賞、JWAY賞、シーマークスクエア賞が贈られた。実行委の梶修明委員長は総評で「上映作品は驚くほど粒ぞろいだった。製作環境が向上し、動画や映像クリエーターの裾野の広がりを感じる」と述べた。

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