断層深さ3千mが「3m」に 誤入力で大間原発(青森県)の安全審査中断

 青森県大間町で建設している大間原発の安全審査を巡り、電源開発(Jパワー)が原子力規制委員会に提示したデータに入力ミスが発覚し、審査が中断している。基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)策定に必要なデータのうち、断層の深さで「3千メートル」とすべきところを「3メートル」と誤った。同社は再発防止へ是正処置計画を策定した。

 同社によると地震動評価に用いる断層データのうち、地表から断層面基準点(断層上端)までの深さを誤入力し、断層の位置が本来より浅い状態で解析してしまった。データシートの形式が「キロ」の一方で、解析のための計算機プログラムは「メートル」表記。単位がそろっていないにもかかわらず、委託先の解析担当者が手入力の際に変換を失念した。同社や委託先3社が入力や解析の結果をそれぞれ確認したが、ミスに気づけなかったという。

 2022年12月に規制委側から指摘を受けて発覚。今年2月の審査会合で規制委側は「地震動評価結果そのものが間違っていたと認識しており、極めて重大な事案」(審査チーム担当者)と苦言を呈した。

 同社は業務プロセス改善へマニュアルを改定。数値形式をそろえたシートの作成・確認、入力結果の全数チェックなどで再発防止を図るとした。4月に規制委側へ示した資料によると、同社が他の審査項目でもミスの有無を点検した結果、類似のミスは確認されなかったという。

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