県民の喫煙率、過去最低に 22年17.2%、男性は90年から半減

 県民の喫煙率は年々、低くなる傾向にあり、2022年には過去最低の17.2%になったことが、県の調査で明らかになった。健康意識の高まりに加え、県の条例制定などで官民の理解が広がったことで受動喫煙についても改善が見られた。

 県は健康づくりの推進を目的に1978(昭和53)年から、おおむね5年ごとに「県民健康・栄養調査」を実施している。健康と生活習慣に関するアンケートは6420人(回答率42.8%)、栄養摂取状況調査は934人(同46.2%)の協力を得た。

 本県の20歳以上の喫煙率は90年調査時で30.2%だったが、低下傾向が続く。特に男性は90年に56.3%だったのに対し、2022年は26.8%と半減した。喫煙している男性の23%、女性の29.1%が禁煙したいとの意向を示している。

 受動喫煙については16年の前回調査時に比べて22年は、職場が32.2%から14.9%、飲食店は34.7%から10.8%などと改善した。県が18年に制定した受動喫煙防止条例では、屋内禁煙にした飲食店に「禁煙」などの標識掲示を求めている。

 新型コロナウイルス拡大前後の生活習慣の変化も聞き取った。「体重が増加した」は男性22.5%、女性25.6%で、「1日の運動量が減少した」が男性14.6%、女性15.8%となるなど、外出自粛などの影響が一定程度見受けられた。

 栄養摂取の状況では、20歳以上の1日の食塩摂取量が10.5グラムで、減少傾向が続いている。一方、県は摂取量の目標を8グラム未満に設定しており、一層の意識醸成が求められる。

 今回取りまとめた結果は速報値で、来年4月に確定版を公表する予定。県は今後、市町村や県医師会、県栄養士会、米沢栄養大などの意見も踏まえ、評価・分析を行う。調査結果は、本年度に策定する次期「健康やまがた安心プラン」(24~35年)に盛り込む。

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