深町さんと黒木さん、娯楽小説の「肝」伝授 「小説家・ライター講座」3年ぶり会場開催

娯楽小説執筆の肝を助言する深町秋生さん(左)と黒木あるじさん=山形市・遊学館

 山形小説家・ライター講座が28日、山形市の遊学館で開かれた。本年度から3年ぶりに会場開催を再開。山辺町在住の作家・深町秋生さんが講師、山形市在住の作家・黒木あるじさんが司会を務め、講評やトークを通じて参加者に娯楽小説執筆の肝を伝授した。

 講座は第一線で活躍する作家を招いて学ぶ。本年度は対面とオンラインのハイブリッド形式とし、今回は約90人が受講した。

 深町さん、黒木さんともに同講座出身。深町さんは「(受講当時は)ボロクソに言われて泣いて帰るような飢えた狼(おおかみ)だった」と振り返った。受講生の3作品を取り上げ、深町さんが「読者を没入させるための10カ条」として「腹をくくって(地名など)ディテールを書く」「短編では視点を変えない」「文章は基本に忠実に」などと助言。2人は「土台がしっかりしているからこそ、けれん味のあるものができる」「何度も推敲(すいこう)してリズムをつくることが大事」と語った。

 本年度は他に、直木賞作家で新庄市観光大使の今村翔吾さん(10月)、黒木さん(来年1月)、山形市在住のミステリー作家・長岡弘樹さん(同3月)らが講師を務める。

© 株式会社山形新聞社