「早乙女」「田童」姿の児童ら、伝統の手植えに汗 500年以上前から続く「大田植え」 西宮・広田神社

豊作を願い、苗を植えていく子どもたち=西宮市大社町

 自然の恵みに感謝する「めぐみ広田の大田植え」が28日、兵庫県西宮市大社町の広田神社であった。500年以上前から続くとされる伝統行事。地元の小学生が昔ながらの田植え衣装に身を包み、手植えで汗を流した。

 周辺の宅地造成や阪神・淡路大震災の影響などで中断した時期もあったが、1999年からは毎年続いている。2015年には戦前に境内にあった水田を「御饌田」として復活させた。

 子どもたちは神社本殿で豊作を祈った後、花がさをかぶった早乙女や青色のたすきを巻いた田童の姿となり、参道を練り歩いた。

 御饌田に到着すると、四隅に御神水を注いで田を清め、泥に足を取られながら、一列に並んでキヌヒカリの苗を植えた。

 大社小6年の児童(11)は「泥の中では歩きにくくて苦労したけれど、一つずつ丁寧に植えられた。収穫をしてお米を食べるのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 環境に配慮した雑貨や食品を販売する「エシカルマルシェ」も同時開催された。(浮田志保)

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