RED「KOMODO-X」国内初お披露目。初代KOMODOからフレームレートやダイナミックレンジ、ユーザビリティを改善

RED社のデジタルシネマカメラを取り扱うRAIDは、KOMODOシリーズの新製品を体験できる「KOMODO-X STお披露目会」を2023年5月23日に開催した。会場は東京・港区の小輝日文で、大勢の映像業界関係者が集まっていた。

KOMODO-Xのもっとも大きな特徴を挙げるならば、フレームレートの2倍強化ではないだろうか。初代KOMODOの最大フレームレートは6K40fpsや4K60fpsだったが、KOMODO-Xでは6K80fps、4K120fpsに対応。初代KOMODOはハイスピードに弱いと言われることがあったが、KOMODO-Xではしっかりと改善してきた。

初代KOMODOとKOMODO-Xは6K S35グローバルシャッターセンサーを搭載しており、解像度に変更はないがセンサーはリニューアル。ダイナミックレンジを改善。初代KOMODOのダイナミックレンジは16ストップ以上だったが、KOMODO-Xは性能が向上して16.5ストップ以上を実現。わずかだが、改善されている。

初代KOMODO(左)とKOMODO-X(右)

KOMODO-Xは、小型のフォームファクターを維持しながらも、DSMC3シリーズとの機能共有が増えている。

初代KOMODOのバッテリーはキヤノンBPシリーズに2基対応していたが、マウントはプラスチック製で耐久性的に不安もあった。KOMODO-XではマイクロV-Lock対応となり、マイクロV-Locバッテリーをしっかりと装着可能。より安心感が強くなったといえるだろう。

これまでの初代KOMODO上面には外部モニターを乗せることができなかったが、KOMODO-XはDSMC3の7インチタッチLCDを搭載可能。V-RAPTORと同じモニターがそのまま使えるようになり、使い勝手を向上させている。

ボディの高さや幅は初代KOMODOとKOMODO-Xとまったく同一。これまで初代KOMODO用として発売してきたトップハンドルやサイドハンドルとの互換性を100%実現している。ただし、奥行きは、マイクロVロック対応の分だけ24mmほど大きくなっている。

タッチスクリーンディスプレイは、操作性を改善している。初代KOMODOのタッチスクリーンは重いと感じることがあったが、KOMODO-Xはスムーズに動く。もしかしたらプロセッサのスペックが向上したのかもしれない。

初代KOMODOは社外製マウントアダプター使用時にガタツキのような不安を感じることがあったが、KOMODO-XのRFマウントはロック機構付きに改善。キヤノンのマウントアダプター「EF-EOS R」使用時もより安定して使えるようになった。

メモリカードは、CFastからCFexpress Type Bに変更された。

REDのシネマカメラは、グローバルシャッター搭載のKOMODOシリーズやローリングシャッター搭載のV-RAPTORシリーズをラインナップ中だ。そのKOMODOシリーズにグローバルシャッターを引き継ぎながら、ハイスピードを充実させてきたモデルがKOMODO-Xだ。発売が待ち遠しいシネマカメラの登場だ。

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