【タイ】前進党の政権発足に不透明感、内外から反発[政治]

タイで前進党が主導する新政権の発足に向け、不透明感が強まってきた。獲得議席数で2位となったタイ貢献党が政権発足後のポストを巡って反発を強めているほか、現与党も攻勢をかけている。地元各紙が伝えた。

タイ貢献党と前進党は、下院議長のポストを巡って対立しているとされる。タイ貢献党の支持者は28日の午後、同党本部に対して意見書を提出。「8党による連立を去るべきだ」と主張した。同党の幹部はこれを受けて、「あらゆる意見を考慮する」として、連立を離脱するとの意見を否定しなかった。

プラウィット副首相の元スタッフのパイサル氏は29日にフェイスブックへの投稿で、「前進党を中心とした連立は(首相選出に必要な)376議席を獲得できない可能性が高い」と指摘。「タイ貢献党が国民国家の力党と組んで連立を形成する」との見方を示した。国民国家の力党が連立に加われば、前進党主導の連立よりも上院議員からの支持が得やすくなり、首相の選出は容易になるとしている。

■内閣の総辞職求める方針

国民国家の力党の議員、ルアンクライ氏は地元紙に、「前進党のピタ党首が首相に選出された場合、適格かどうかを問う嘆願書を提出する」と発言。前進党が主導する新政権が発足したとしても、反対勢力を糾合し、内閣が総辞職するよう求める方針を示した。

ルアンクライ氏は選挙管理委員会に対し、ピタ氏がメディア企業「iTV」の株式4万2,000株を所有しているため、選挙資格がなかったと主張。同委員会に調査を求めている。

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