PAC3を石垣新港地区に展開 北朝鮮の「衛星」発射予告で防衛省が方針 県は「駐屯地内にしてほしい」

 北朝鮮が「人工衛星」の発射を予告したことを受け、沖縄防衛局や陸上自衛隊、航空自衛隊の担当者らが29日、県庁を訪れ、対応を説明した。部品落下への対応を念頭に置いた先島諸島への地対空誘導弾パトリオット(PAC3)展開に関連し、石垣島では陸自石垣駐屯地の外の市南ぬ浜町の新港地区に展開する考えを説明し、理解を求めた。

 県の担当者は「駐屯地の中に展開してほしかった」と話し、住民生活への影響を踏まえ、対応を検討する考えを示した。

 民間地での展開は、今年3月に開設された石垣駐屯地敷地内で工事が続いていることが理由だという。

 2012年4月と12月、16年の2月に北朝鮮が衛星と称して飛翔体を発射した際も、石垣市内でPAC3が設置された場所は新港地区だった。防衛省・自衛隊は県に対し「前回も展開の実績があるため」と選定理由を説明したという。

 一方、新港地区への展開日時や、周辺地域で民間人の往来を規制するかなどについて説明はなかった。

 県の担当者は、PAC3の展開に当たり「住民生活への影響は最小限にし、展開先は駐屯地内にしてほしいと伝えていた」とし、今後の対応について「すぐに了解しましたと言える状況ではない」と話した。

 防衛省は当初、石垣島の展開先として石垣駐屯地を挙げていたが、新港地区の使用についても調整を続けていた。

 (知念征尚)

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