岸田内閣の支持率は5ヶ月連続の上昇、約44%に 5月世論調査まとめ

5月中に行われ、有効回答数や回答を公開している報道機関9社、および選挙ドットコムの世論調査の結果をまとめ、比較しました。なお、各社の調査日や手法は異なるため、あくまでも参考値としてご覧ください。
※JNN(TBSテレビ)の調査は4月29日‐30日ですが、ここでは5月度の調査の扱いとします。

内閣支持率は5ヶ月連続の低下から、5ヶ月連続の上昇

5月の調査では、岸田内閣の支持率は先月より上昇を見せる形となりました。全体としては約41.9%から、約44.2%となっています。5ヶ月連続の低下を経て、5ヶ月連続の上昇となりました。

個別の調査においては、4月の調査から支持率がもっとも上昇したのは読売新聞・日本テレビの調査で、4月14‐16日の調査より9.0ポイント上昇の56.0%となりました。反対に、4月の調査から支持率がもっとも低下した日本経済新聞・テレビ東京の調査では、4月28‐30日の調査より5.0ポイント低下の47.0%になっています。

内閣不支持率は、対照的に4月の調査から低下を見せました。全体としては約40.4%から約38.8%となっています。

個別の調査においては、4月の調査からもっとも不支持率が上昇したのは日本経済新聞・テレビ東京の調査で、前回より4.0ポイント上昇の44.0%になりました。反対に、4月の調査からもっとも不支持率が低下したのは時事通信の調査で、4月7‐10日の調査より4.5ポイント低下の31.8%になりました。

自民党の支持率は変わらず~微減、日本維新の会の支持率はさらに上昇

政党支持率はどうでしょうか。まず与党である自民党の支持率は、前回の調査から変わらず~微減という形になりました。全体としては約34.1%から、約33.6%になっています。

もっとも上昇した読売新聞・日本テレビの調査では、前回より4.0ポイント上昇の38.0%になりました。反対に、もっとも低下した日本経済新聞・テレビ東京の調査では、前回より6.0ポイント低下の37.0%になっています。

野党第一党である立憲民主党の支持率は、前回とほぼ変わらない結果となりました。全体としては約6.7%から、約6.6%になっています。もっとも上昇した共同通信の調査では、4月29‐30日の調査より1.2ポイント上昇の8.8%になりました。反対に、もっとも低下したJNN(TBSテレビ)の調査では、4月1‐2日の調査より1.7ポイント低下の4.2%になっています。

また、前回の調査で支持率の上昇が目立った日本維新の会ですが、今回もさらに上昇する形となりました。全体としては約7.0%から、約8.2%となっています。もっとも上昇したNHKの調査では、4月7‐9日の調査より2.6ポイント上昇の6.7%になりました。そのほかの調査もおおむね支持率は上昇しており、毎日新聞・社会調査研究センター(前回調査は4月15‐16日)、日本経済新聞・テレビ東京の支持率は前回と変化なしのそれぞれ15.0%、13.0%になっています。

岸田内閣の支持率の上昇は、大きくは新型コロナウイルスの「5類」への引き下げや、先日閉幕したG7広島サミットでのリーダーシップが評価されたことが背景にあると考えられます。たとえばANN(テレビ朝日)の調査では、新型コロナ「5類」への引き下げを「評価しない」と答えた人が24%だったことに対し、「評価する」と答えた人が65%となりました。また日本経済新聞・テレビ東京の調査では、サミットでの首相の働きぶりを「評価しない」と答えた人が21%だったのに対し、「評価する」と答えた人が66%になっています。とはいえ、5月末には首相の長男で秘書官の翔太郎氏が公邸で私的な忘年会を開いたことが露見し、結果として更迭されたこともあり、6月にはまた支持率の変動も予想されます。引き続き注目です。

<参考>
JNN(TBSテレビ) 世論調査(4月29~30日実施、回答数1205)
NHK 世論調査(5月12~14日実施、回答数1225)
ANN(テレビ朝日) 世論調査(5月13~14日実施、回答数1028)
選挙ドットコム 世論調査(5月13~14日実施、回答数1000)
時事通信 世論調査(5月12~15日実施、回答数1228)
毎日新聞・社会調査研究センター 世論調査(5月15~16日実施、回答数1045)
読売新聞・日本テレビ 世論調査(5月20~21日実施、回答数1061)
朝日新聞 世論調査(5月27~28日実施、回答数1130)
共同通信 世論調査(5月27~28日実施、回答数1052)
日本経済新聞・テレビ東京 世論調査(5月26~28日実施、回答数928)
(データ分析・執筆:若林良)

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