隠元禅師に思いはせ 長崎・興福寺で茶市

そのぎ茶をお供えし振る舞った献茶式=長崎市、興福寺

 日本に煎茶を広めた隠元禅師のことを知ってもらおうと長崎県長崎市寺町の興福寺(松尾法道住職)で28日、茶市が開かれた。隠元の足跡を伝える講演や東彼東彼杵町の「そのぎ茶」を使った商品の販売などがあった。
 隠元(1592~1673年)は中国福建省生まれ。1654年に長崎へ渡り同寺の住職などを務め、朝廷や江戸幕府の信頼を得た。黄檗宗(おうばくしゅう)を開き、煎茶や明朝体文字などを伝えたことで知られている。
 献茶式で、そのぎ茶の新茶がお供えされ、参拝客に振る舞われた。長崎史談会の原田博二会長が講演。境内では茶葉を約250度の釜でいり、手もみする「手いり釜いり茶」の体験や、おいしい新茶の入れ方教室などがあった。
 松尾住職は「隠元禅師がお茶を日常で飲むことを全国に広めた。偉業に思いをはせながら味わってほしい」と話した。

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