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個性豊かな香りが特徴の蒸留酒「クラフトジン」の人気が福井県内でも高まりつつある。酒販店では県外産の商品が右肩上がりに売り上げを伸ばし、取り扱う種類の豊富さを売りにする飲食店も出始めた。県内でもオリジナル商品の試作が進んでいる。
クラフトジンに明確な定義はないが、ジンの中でも小規模生産や、作り方に強いこだわりがあるものを指す。ジンはジュニパーベリー(セイヨウネズの実)で香り付けをすれば名乗っていいとされ、日本では近年、焼酎メーカーなどからクラフトジンが次々誕生している。酒販関係者によると、ウイスキーの在庫不足による減収を補うためにクラフトジンを製造するケースもあるという。
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華(本社福井市、坂本安夫社長)が展開する「リカーワールド華」のプラザ店(同市新保北1丁目)には、25種類ほどのクラフトジンが並ぶ。広島のレモンや北海道のミント、鹿児島のほうじ茶など香りのバリエーションはさまざまだ。
同社の担当者は「ここ2、3年で取扱量が増え、現在は業務用を含めて100種類ほど用意している。売り上げに占めるシェアは小さいものの、毎年2割ずつ右肩上がりに増えている」と話す。700ミリリットル入り1瓶で数千円の商品が中心だが、気軽に試してもらおうと、小瓶の充実を予定している。
福井市中央1丁目に今年2月にオープンした飲食店「the best space BAR FUKU」は、国内外のクラフトジンを常時十数種そろえるのが売り。洋服店経営の傍ら同店にも携わる東野晴和さんは「初めて飲む人が多く、皆さんおいしさに驚いてくれる」と笑顔。「クラフトジンは瓶のデザインや香りがどれも個性的で同じ物がなく、料理の邪魔をしないのもいい。洋服選びのように、いろいろ試してお気に入りの一品を見つけ出してほしい」と話している。
老舗酒蔵の加藤吉平商店(鯖江市吉江町、加藤団秀代表)は、2年近く前から試作を重ねており、来年春の商品化を見込んでいる。30種の香味原料を使うといい、加藤代表は「世界一の商品を送り出したい」と意気込んでいる。