青森県営球場の電光掲示板、故障のまま試合 10カ月経っても修理めど立たず

春季東北地区高校野球県大会の会場として使用された県営球場の電光掲示板。対戦する両チームの選手名は表示されず、イニングごとのスコアやカウントのみ表示できる状態となっている=29日

 春季東北地区高校野球県大会の会場となった県営球場(青森市)の電光掲示板が昨年7月に落雷の影響で故障し現在も出場選手名などが表示できない状態となっている。昨秋の県大会に続き今大会も修理が間に合わず、球場に訪れた観客からは落胆の声が漏れた。

 電光掲示板は通常、試合のスコアや各チームの選手名などを表示するが、同球場の掲示板が現在表示できるのはイニングごとのスコアに加え、ボールやストライクなどを示すカウントのみ。選手名のほか、安打や失策などを伝えるランプはつかない状態だ。

 29日、観戦に訪れた同市の無職加賀谷泰さん(72)は「誰が打ったのか分からないし、名前は見えた方が良い」。出場選手の保護者も「名前が出るのと出ないのとでは全然違う。選手も気分が盛り上がらないのでは」と気にかけていた。

 同球場を管理するスポルト青い森グループによると、掲示板に対応する基板が現在製造されておらず、修理に必要な部品の調達に時間を要しているという。今夏の甲子園出場を懸けた全国高校野球青森大会の会場にはなっていないが、担当者は「業者と調整中だが修理のめどは立っていない。来年もさまざまな大会が控えているので、何とかそこまでに直せれば」と話した。

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