ごみ排出、10年間で最少・県内の21年度総量 「1人1日当たり」は横ばい、県が減量働きかけ強化へ

 2021年度の県内一般廃棄物の排出量は37万8千トンで、12年度以降の10年間で最少となった。マイボトルの利用などに代表される「ごみを出さない意識」の高まりや人口減などが背景にあるとみられる。一方、1日当たりに県民1人が排出する量は横ばい傾向だった。県が掲げる「全国一ごみの少ない県」の実現に向け、新たに飲食店での適量注文を促進する食品ロス削減などを進め、家庭や事業所へのごみ減量の働きかけを強化する。

 環境、教育、商工業関係団体などでつくる「ごみゼロやまがた推進県民会議」(会長・千歳毅県環境保全協議会長)の総会が29日、山形市の県自治会館で開かれ、席上、県の担当者が現状を報告した。

 一般廃棄物の排出量は全国的に減少傾向にある。本県の1人1日当たりの排出量は家庭系が20年度の547グラムから21年度は541グラムに減った一方、事業系を含めると901グラムから904グラムに増加した。20年度より新型コロナウイルス禍に伴う在宅時間が減少し、企業の経済活動が活発化したことなどが影響したとみられる。

 本県の1人1日当たりの排出量904グラムは全国平均890グラムを上回り、最少だった京都府の775グラムとは約130グラムの開きがある。県は現状から100グラムの削減を目指すとしており、食品ロスやごみ削減に取り組む飲食店や小売店などを登録する「もったいない山形協力店」(今年3月末現在1026店)の利用を促すなどし、廃棄物の抑制につなげたい考えだ。

 本年度は新たに、飲食店での適量注文を促進する。卓上用の啓発物を県が製作し、「小盛りメニューあります」「持ち帰りができます」など、協力店が対応可能な「食べきり」の取り組みを表示してもらう。県循環型社会推進課は「(商品棚の手前に置かれたものから購入してもらう)小売店対象の『てまえどり』と合わせ、消費者への啓発を進めたい」としている。

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