味真野茶のそばや団子提供する茶屋を7月開業 福井県越前市、公民館元職員の女性が「地区に恩返し」

元喫茶店を改修して「味真野茶屋」を開業する渡辺喜恵さん=福井県越前市池泉町

 福井県越前市味真野公民館の元主事の女性が、味真野地区産の「味真野茶」を使ったメニューを提供する店を7月に開業しようと、準備を進めている。北陸新幹線県内開業を見据え、地域活性化につなげる。現在、茶畑近くの建物を改修しており、福井県に特化したクラウドファンディングサービス(CF)「ミラカナ」で、厨房などの改修にかかる資金を募っている。6月23日まで。

 同地区では江戸時代から味真野茶が栽培され、かつては生産が盛んだった。摘み手が減り、廃れてきたことへの危機感から地元有志が保存会を立ち上げ、復興に取り組んでいる。

 店を開くのは渡辺喜恵さん(65)=同市。最初に着任したのが味真野公民館で退職時も同公民館だった。住民から「地区には土産物がない」「観光客はいるが滞在時間が短い」といった声を耳にして問題意識を持ったことや、「地区の住民に公民館職員として育てられたことへの恩返しがしたい」との思いから店の開業を決めた。

 店名は「味真野茶屋」で、市味真野苑前の元喫茶店を改修している。営業時間を午前10時~午後3時のランチタイムとし、味真野茶の茶飯と茶そば、地元産の旬の野菜を使ったお総菜などのセットメニューのほか、茶団子や冷茶などを提供する。店内は元々のレトロな雰囲気を残し、テーブル18席とカウンター2席を設ける。

 渡辺さんは「地域の魅力を発信し、地区内外の人の憩いの場にしたい」と話している。

 CFの目標額は160万円で、3千~15万円のコースがあり、返礼品は地区を周遊してもらえるよう周辺の飲食店などで使える金券や味真野茶のティーパックなどがある。

 ◇ミラカナとは 福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス。県内でプロジェクトを始める人の資金調達を応援するプラットフォームとして福井新聞社、福井銀行、福邦銀行が連携。CFのレディーフォー、応援購入サービスのマクアケいずれかを通じて支援・購入を募る。累計支援額は1億7千万円、プロジェクトの達成率は92%(数字は2023年3月末時点)。

⇒クラウドファンディング「ミラカナ」トップページはこちら

© 株式会社福井新聞社