還付金詐欺犯人グループの通話音声を入手 巧妙な手口が明らかに

khbは、宮城県の高齢女性にかかってきた電話の音声データを入手しました。還付金詐欺の犯人グループの巧妙な手口がみえてきました。

区役所職員を名乗る男「○○区役所介護保険課のウエダと申します。1月10日に介護保険課からお送りしておりましたお手紙についてなんですが、ご返信いただく書類になっていたのですがご確認して」

女性「分からなかったです。そのままになっていましたね」

宮城県に住む60代の女性にかかってきた、詐欺グループからの電話です。

区役所職員を名乗るウエダ。丁寧な口調で還付金があると話を切り出します。

区役所職員を名乗る男「それで○○さんですと今現在ですね、2万7400円のお戻しのお手続きがまだできていない状態なんですね」

女性「あらあらあらそれは損しますね」

区役所職員を名乗る男「お手数お掛けしますが、お戻しを希望される銀行さんの方へ行っていただいて、直接、2万7400円のお戻しのお手続きをしていただく必要があるんですけれども。本日が申請最終日となっておりますので」

申請最終日と言って焦らせる男。そして数時間後。コールセンターの職員を名乗る別の男から電話が入りました。

コールセンターを名乗る男「私、〇〇銀行サポートコールセンターのイシダと申します。本日この後、お急ぎで対応はさせていただきますのでご来店お願いいたします」

男は、還付金の申請のため銀行のATMに来るように指示します。

コールセンターを名乗る男「昨今の新型コロナウイルスの影響もございまして、窓口業務を当行縮小して営業しておりますので、このお時間ですね、窓口営業しておりませんが、皆様が普段ですね年金などをお引き出せます自動支払機、こちら方でもお手続きが可能となっております」

不審に思った女性はこの後、家族に相談し被害に遭いませんでした。

県警によりますと、宮城県の特殊詐欺の件数は2022年に入り4月末までで110件と前年の同じ時期に比べて11件多くなっていて、被害額も2億4000万円を超えています。

県警は、還付金を受けるためにATMを操作させることはないので、還付金やATMの話が出たら警察に相談するよう呼びかけています。

特殊詐欺は、固定電話の対策が非常に重要です。県警は発信者に通話内容を録音することを告げる警告が流れたり、自動録音したりする機能が付いた電話機などの購入費の一部を補助する制度を設けていて、6月1日から受け付けを始めます。

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