兵庫労働局が30日に発表した4月の兵庫県内の有効求人倍率(季節調整値)は1.03倍となり、前月比0.02ポイント増と4カ月ぶりに上昇に転じた。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行する5月を前に、小売業で求人状況が改善したことが影響した。
前年同月比を産業別(原数値)で見ると、3月は5.6%減だった小売業が4月は27.2%増と大幅に改善した。宿泊業・飲食サービス業は16.1%減だが、一部企業が採用時期を遅らせたためとみられ、兵庫労働局の金刺義行局長は「5類移行を見据えて観光業や小売業が求人を出している。コロナ禍が落ち着いてきたのではないか」とみている。
一方、建設業は11.2%減、製造業は16.1%減となり、いずれも5カ月連続マイナスだった。金刺局長は「資源高、物価高に対応するため採用を控える動きが続いている。見通しは甘くない」との認識を示した。
同労働局によると、4月の有効求職者数は前月比0.2%増の8万1619人。有効求人数は同1.2%増の8万3670人だった。(竜門和諒)