児童虐待6年ぶり減 横須賀市児童相談所

 横須賀市児童相談所(児相)が2015年度に受けた児童虐待に関する相談件数(速報値)は、過去最多だった14年度より44件少ない572件で、6年ぶりに前年度実績を下回った。06年の開設後2番目となる高水準で推移しているものの、減少傾向について児相は「重篤事案になる前に学校が保護者と向き合うなど、事前に動いてくれているのが一因ではないか」とみている。

 虐待関連の相談の内訳は、夫婦間のDVなどの「心理的虐待」(244件)が最多で全体の42.7%を占めた。「ネグレクト(育児放棄)」(213件)、「身体的虐待」(111件)と続いた。

 学齢別では幼児が203件(35.5%)でトップ。小学生184件(32.2%)、中学生86件(15%)。いずれも14年度を下回った。

 虐待を認知した経路別でも、学校などからの通報は前年度より26件減った。一方、警察からの通告は206件に上り、全体の3分の1超となった。

 児相の受けた全体の相談件数は1221件。児童虐待以外では、療育手帳を含む知的障害相談が491件、子どもの性格や行動面の相談が30件、重症心身障害相談が29件などだった。

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