新スタジアムは茨城・鹿嶋市内 J1鹿島アントラーズ検討 「渋滞」など検証

鹿島アントラーズが本拠地としている県立カシマサッカースタジアム=鹿嶋市神向寺

サッカーのJ1鹿島アントラーズFC(小泉文明社長)は30日、新スタジアムの建設地は、現在の本拠地がある茨城県鹿嶋市内で検討すると発表した。今後、鹿嶋を含むホームタウン5市や県と協力し、交通渋滞などの課題解決に向けて検証した上で、具体的な建設候補地や機能、完成時期などについて、2026年をめどに方針を決定する。

同FCは21年10月、本拠地の県立カシマサッカースタジアムが老朽化や海風による塩害により、補修費がかかるなどとして、新スタジアムを建設する構想を発表した。現スタジアムを立て替えるか、ホームタウン内に新設するか、26年をめどに具体的な方針を決めるとしている。

これまでに、ホームタウンの鹿嶋、潮来、神栖、行方、鉾田の5市や県と協議を進め、鹿嶋市内で建設を検討すると決めた。

スタジアムは、サッカーだけでなく各イベントも開催できるよう機能を持たせたり、周辺開発も進めたりしながら、地域のシンボル化を目指す。今後、交通渋滞などの課題解決に向け、ホームタウン5市や県と協議を進める。

方針発表を受け、鹿嶋市の田口伸一市長は「大変喜ばしい。新スタジアムと併せて周辺整備を進め、本市だけでなく鹿行地域を活性化させる拠点としたい」などとコメントした。

新スタジアム誘致を表明していた潮来市の原浩道市長は「残念な思いはあるが、ホームタウン一丸となって鹿島アントラーズを支えていきたい」などとコメントを出した。

県によると、カシマスタジアムは塩害対策を含む修繕費に年5億~6億円かかっている。方針発表を受け、県地域振興課は「一歩進んだ」と受け止める一方、同スタジアムをどうするかについては「今後の協議と合わせて検討していく」と述べるにとどめた。

カシマスタジアムは1993年、収容1万5千人の屋根付きサッカー専用スタジアムとして完成。2002年サッカーワールドカップ日韓大会に伴い、01年に4万人規模に増改築。11年に東日本大震災で被災した。

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