蝉川泰果がシーズン中に意外なグリップ変更 ゴムからエラストマーへ

蝉川泰果が使用するイオミック製グリップ(撮影/服部謙二郎)

◇国内男子◇BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 事前情報◇宍戸ヒルズCC西コース(茨城)◇7430yd(パー71)

4月の「関西オープン」で優勝した後も「中日クラウンズ」3位、「ゴルフパートナーPRO-AM」2位、「ミズノオープン」5位とただいま絶好調の蝉川泰果。そのグリップがラバー系(ゴム)のモデルからエラストマー系(樹脂)に変わっていたことに、気づいた方はいただろうか。地味な変化ではあるが、ゴムとエラストマーのグリップでは手の感触はだいぶ違うはず。

グリップについて説明する蝉川泰果(撮影/服部謙二郎)

聞けば、替えたのは2週前のゴルフパートナーの試合から。「(それまで使っていたラバーが)ちょっと柔らかく感じて、思ったよりつかまりやすくて。ちょっと硬めのグリップのほうがつかまりにくくなるかなと思って替えました。シーズン中にグリップを替えるのは、なかなか勇者ですけどね(笑)」とおどける蝉川。「(グリップは)硬すぎてもいいわけでなくて、柔らかいけど硬いという程よい感じがいい。そのさじ加減わかります?」とこだわりは細かい。

イオミックの担当者に聞くと、「蝉川プロの『iX touch2.0』というモデルは、エンドキャップにLTC(ロートルクコントロール)という素材が入っていて左手部分が二重構造になっています。中芯は硬く作っているので、ぐっと握った時には硬く感じると思う。その部分でねじれにくさを感じているのかもしれませんね」。蝉川が感じる“程よい硬さ”には、からくりがあるわけだ。

程よい硬さのグリップを握る(撮影/服部謙二郎)

イオミックのグリップを使っている選手は多いなかで、蝉川の使うモデルの硬度は49.5度。標準の52度よりは少し柔らかめで、先週のミズノオープンで優勝した平田憲聖や谷原秀人はその52度を使用している。一方で、松山英樹は57度と硬めのモデルを使用中だ。硬度と言われてもなかなか聞きなれないが、「消しゴムの硬度が37~40度ぐらい。蝉川プロのモデルは、実は一般販売用がその消しゴムと同じ37度なんです。それ以外のモデルも含めると57度までいろいろな硬さがあります」(同担当者)

グリップを替えて好調を維持しているものの、蝉川本人はまだ満足していない様子。「普通のゴムじゃないので、手汗をかいたときに吸収しないで水分を弾いてしまう。これから暑い季節になるし、いまそのあたりの改良をイオミックさんにオーダーしています」とその追求はとどまらない。(茨城県笠間市/服部謙二郎)

練習場でコントロールショットを打つ(撮影/服部謙二郎)

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