J1鹿島新スタジアム、茨城・鹿嶋市内に検討 地元「うれしい」 ホームタウン5市 波及効果に期待

声援を送る鹿島アントラーズのサポーター=2022年11月5日、鹿嶋市神向寺の県立カシマサッカースタジアム

サッカー・J1鹿島アントラーズの新ホームスタジアムが、茨城県鹿嶋市内で建設が検討されることが30日、明らかになり、地元サポーターからは「ほっとした」「うれしい」など喜びの声が上がった。新スタジアムは、ホームタウンの茨城・鹿行5市の活性化に向けて新たな波及効果が見込まれており、関係者の期待も高まっている。

鹿島の応援を続けてきた鹿嶋市宮中の川上敏英さんは、同市内で新スタジアム建設検討が進むことに「まずは安心した」と胸をなで下ろした。鹿島サポーターのグループ「インファイト」代表の河津亨さんも「うれしい報告」と笑顔を見せ、新スタジアムについては「ホームタウンのサポーターが集まりやすくなればいい」と話した。

同市は、新スタジアムの市内立地を見越して、本年度予算に周辺活性化に向けた調査費約2千万円を計上。新スタジアムを核としたまちづくりをはじめ、関係人口の増加や移住・定住につながる施策を展開する方針を示していた。

市内での建設検討の知らせを受けた田口伸一市長は、「大変喜ばしい。愛されるスタジアム整備を含めたまちづくりが進むよう全力で取り組んでいく」と歓迎のコメントを発表した。

一方、潮来インターチェンジ(IC)周辺地域での建設を提案していた潮来市の原浩道市長は、鹿嶋市での建設検討の発表に肩を落とした様子。それでも、「鹿島アントラーズを活用した地域連携拠点整備について調査検討する」と前を向いた。

ほかの3市からは「落ち着くところに落ち着いてよかった」(石田進神栖市長)、「建設が進んでいくことを喜ばしく思う」(鈴木周也行方市長)、「関連施設を近隣に整備してほしい」(岸田一夫鉾田市長)など冷静な受け止めが目立った。

ただ、鹿嶋市内では現在、鹿島のホーム戦開催日に長時間にわたり発生する周辺道路の渋滞が、現スタジアムの塩害と並ぶ大きな課題となっている。

新スタジアム建設場所の正式決定は2026年の予定だが、周辺道路の渋滞緩和は引き続き課題に上るとみられており、市は「今後、検証を進めていきたい」との考えを示した。

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