臼杵市消防本部、AEDの収納ケースに三角巾配備 傷病者のプライバシー保護【大分県】

AEDケースに三角巾と使用方法を明記したチラシを収納=臼杵市消防本部
傷病者にAEDパットを貼り付けた後、上半身にかけて使用する

 【臼杵】臼杵市消防本部は、市内の公共施設(61カ所)に設置されている自動体外式除細動器(AED)の収納ケースに、傷病者の上半身にかけて使う大きなサイズの三角巾を配備した。全国的に広がるプライバシー保護のための取り組みで、「ちゅうちょせずにAEDを使用してもらいたい。救命率向上につながれば」と期待している。

 AEDは、心停止した人に電気ショックを与えて救命を図る機器。救急車が到着する前の処置として効果が高いことで知られ、同市でも操作方法の講習会が開催されている。

 ただ傷病者が女性の場合、素肌を出してAEDを使うことをためらう人も多い。京都大などの研究グループによると、女性は男性よりAEDが使われにくいとの調査結果が出ているという。

 同本部は、昨年12月の市議会で取り上げられたことから配備を決めた。各ケースには三角巾2枚と、「プライバシーに配慮した使い方」のチラシを収納。三角巾は止血や患部の固定にも使用できる。

 庄司哲宏消防署長(54)は「現在は公共施設のみだが、今後は民間設置のAEDにも備えていきたい」と話している。

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