今さら聞けない「ディープとシャローってなに?」ドライバーの形状について教えて

【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
アイアンの場合、大きいヘッドは易しくて小ぶりなヘッドは難しいなどと耳にしますが、ドライバーにも形状による難度の違いってあるのでしょうか。初心者はどういう形状を選ぶべきですか?

どうも、たけちゃんです!ディープとシャローの違い、皆さんは知っていますか?

■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く出てきて、深く知ろうとすることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。

ドライバーヘッドの形状は大きく分けて2つ

【たけちゃん'sアンサー】
もちろんドライバーにも形状による難度の違いはあります。ドライバーは大きく分けて「ディープ形状」と「シャロー形状」の2つの形状があります。体積はほとんど変わらないのですが、アドレスして上から見たときに、幅が狭くてクラウンに丸みがあるのがディープ形状。幅が広くてクラウンが平べったいのがシャロー形状です。

形状の違いをお分かりいただけるでしょうか(画像は「ヤマハ RMX」)

ディープ形状は「重心深度(ヘッドの重心からフェースまでの距離)」が浅い、つまり「芯」が狭いモデルです。シャロー形状は逆に重心深度が深いので芯が広くなりミスヒットに強くなります。

そう聞くとシャロー形状のほうが優れているように感じるかもしれませんが、ゴルフクラブは何かを追求すると、別の何かを犠牲にしなければならないという“トレードオフ”の関係を常に持っています。

ディープ形状の長所は、シャロー形状に比べて芯が狭いかわりに、重心が浅いので低スピンとなり打ち出しが抑えられます。つまり、絶対とは言い切れませんが、ヘッドスピードが速い人が芯でとらえた時はディープ形状の方がより遠くへ飛ばせる可能性が高いです。

一方でシャロー形状は、ヘッド後方の重心比重を大きくしていますので、打ち出しが高くなり直進性も強い。球のつかまりも良いとされています。

初心者にはシャロー形状がおすすめ

イメージは懐中電灯の光です(GettyImages)

懐中電灯で壁に光を当てたときをイメージしてみてください。壁に近づいていくと光の範囲は狭くなっていきますが、光の強さと輪郭がはっきりしていきますよね?逆に壁から離れていくと光はぼやけて弱くなっていきますが、範囲は広がっていきます。前者がディープのイメージで、芯は狭いですが、強い球が打てる。後者がシャローのイメージで、芯が幅広い分ミスに強い。

毎回、確実に芯でとらえることができるプロや上級者はディープ形状の特性を活かせますが、打点が安定しない初心者はやはり芯が広くてミスヒットに寛容なシャロー形状を選ぶべきです。

クラブは「顔」が命!

と、ここまではあくまでも機能的な部分の話。実は、ヘッドの見た目、いわゆる「顔」が、ショットに大きな影響を与えるんです。私はフィッティングの時によく、「ヘッドの好みは異性の好みと同じ」と冗談半分で言っているのですが、どんなに私が「このヘッド“美人”でしょ?」と勧めても、打ち手が「タイプじゃない」と感じることはよくあります。

ゴルフはメンタルスポーツ。クラブの機能が良くても、打ち手の集中力が欠けてしまったら、その性能を生かすことができません。ですので、構えた時に“嫌な感じ”がする顔はお勧めしません。機能も大事ですが、自分が気持ちよく構えられるヘッドを選ぶことも、ナイスショットへの近道だと思います。

たけちゃんの1分動画解説

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