meiyo×藤森元生(SAKANAMON)×西沢成悟(メメタァ)- ありそうでなかった3組による"音の熱波"を届けるスペシャルイベントが新宿ロフトで開催!

この3組には音楽で共通しているところがちゃんとある

樋口:コロナ禍に入ってから、ワタナベ(タカシ/meiyo活動前の名義)くんは配信ライブだったり動ける範囲でよくロフトに出てくれていたんだけど、そのコロナ禍中にワタナベくんの活動環境が変わってきたこともあってご無沙汰になってしまって。ようやくコロナの状況も緩和されてきたし、マネージャーさんに“久々にロフトでライブをやりませんか?”と連絡したら“ぜひ!”とお返事をいただいて。では何か一緒に・共催という形で進めましょうか、というところから始まったお話で。だったらmeiyoとして共演してみたいバンドだったり私が共演してもらいたいなと思うバンド、3組ぐらいで出来たら良いんじゃないかな、と…それでmeiyoくんはもともとSAKANAMONの大ファンであったりとか、meiyoとメメタァはもう既に何度も共演を何度かしているし、この3組でというのはすぐに決まりましたね。

meiyo:そうですね。SAKANAMONとはいつか共演したいとずっと思ってました。メメタァとも共演は1年ぶりとかで、けっこう久々で。

西沢成悟(メメタァ/vo & g):僕が弾き語りで一緒だったときもありましたよね、配信でというときだったと思うんですけど。

樋口:コロナが本当に大変だったときだよね。それから今、堂々とライブをやれるときが来てmeiyoくんに久々にロフトに出てもらえるのも嬉しいし、meiyoとの企画としてやれることがロフトとしてもすごく嬉しいですよ。meiyoとして活動を始めてからはコロナ禍で、ネットを中心舞台に動いていた感じがあるよね?

meiyo:そうですね、ちょうどコロナ禍に入る頃に活動の方向が変わった感じでした。コロナ禍直前まではバンドっぽい曲をやってまして、その頃から打ち込みをやろうかな…って思って作ったけど、(それまでの楽曲とは)毛色が違うし、どこで出そうかなと思ってた曲を、ライブが出来なかった時期に“こんな曲も作ってみましたよ”って(SNS等に)出したのがきっかけで、動きが変わったんですよね。自分でもビックリでした。

樋口:「なにやってもうまくいかない」(2021年)は本当にいろんな方に聴かれた曲だよね。

西沢:この前、街でたまたますれ違った女の子がその曲を歌っててビックリしました(笑)。そんなに広まってるんだ、って!

meiyo:いや〜、本当にありがたいことです。

樋口:じゃあ今回のイベントに出てくれる皆、それぞれお互いの印象だったり第一印象とかを聞かせて欲しいな。

meiyo:メメタァは共演前から名前を見かけていて、メチャクチャ精力的にライブをしているバンドだなぁって思ってて。勝手に激しいバンドなんだろうなっていうイメージを持ってて実際にライブを見たら、最強ポップ! それで一気に好きになった、メンバーも皆かわいいし(一同笑)、ちゃんとメンバーそれぞれのキャラも立ってるし、羨ましいな、バンドって良いな、って最初に会ったときから思ってました。SAKANAMONは、「ミュージックプランクトン」(2011年)を聴いたときに“コード進行とかもすごく特徴的だし、何てことをしてるんだ!!”と思って(笑)。それとちょっと勝手ながら、(藤森に)歌い方というか声の出し方に似たようなものを感じてまして。いつか一緒にライブが出来たら良いな…っていうのは本当に、ずっと思っていたので今回は本当に嬉しいです…って、緊張するな〜…!

樋口:ちょっと何だろう、告白みたいになってるね!

藤森元生(SAKANAMON/vo & g):僕も動揺してます(一同笑)。でもまず本当に、15年やってきて良かったなって思いましたね。音楽で頑張っている子たちに“SAKANAMON、聴いてました”って言われて、そういうことを言われれば言われるほど自信がつきます、っていうことも思えるような歳にもなりました。

樋口:元生くんはmeiyoとメメタァの音楽はどう感じてる?

藤森:メメタァはずっと前から知ってはいたんですけど、初めてちゃんと共演したときのライブを見て、熱いなぁって思った。見た目とのギャップがすごくて、それこそ可愛らしいライブをするのかなと思ったら逆にめちゃくちゃエモくて。ストレートで伝わりやすいし疾走感もあって、素直にカッコ良いなって思ってました。活動の仕方も地道に積み重ねながら、ちゃんとロックしてる。バンドの成り立ちみたいなものも良いなぁって、陰ながら応援してました。meiyoさんは知ったのが最近なんですけど聴いて、すごいな〜ってまず思いましたね、音楽の成形の仕方・建設の仕方が。ユーモアもあるしロジカルなところもあって面白いし、どんな音楽を聴いてきたんだろう? って思ってましたね。

meiyo:SAKANAMONでした!(一同笑)

藤森:メメタァも然りで(3組に)共通してるなと思うんですけど、曲を聴きながら歌詞の譜割りとか言葉やリズムの当て方が上手いなって思う、僕たち(笑)。語感の良さとかをすごく意識してるなっていうのを感じますね。

樋口:なるほどね〜! 成悟くんから見て、この2組はどうだろう?

西沢:meiyoさんと初めて会ったときはワタナベタカシ名義でバンドで、ロフトで対バンをしたんですけど、当時はドラム&ボーカルで。

樋口:そう、そうだったんだよね。

西沢:それだけでもかなりすごいんですけど、曲も声もすごく好きな感じで。前はもっとパワーポップみたいな感じでしたよね?

meiyo:そうですね、最近はちょっとその感じはご無沙汰ですけどね(笑)。

西沢:その曲の感じが好きで自然とメッチャ仲良くなって、アレンジに関してアドバイスを聞きたくて、デモ音源を送ったりしましたね。パワーポップから打ち込みにも移行していくタイミングの頃で、meiyoの音楽に新しいものを感じてて、“meiyoだったらどうするのかな?”って。SAKANAMONは僕、高1のときにコピバンを組んでたんですけど、よく出ていたのが大岡山にあるPEAK-1っていうライブハウスで。SAKANAMONもよくそこでライブをしていて、コピバンが10組ぐらい出たイベントの最後にゲストでSAKANAMONが出るっていうことがあって。表現が難しいんですけど…何と言うか、学校のOBみたいな感じですね(笑)。

藤森:PEAK-1の第一卒業生みたいなもんだからね。

西沢:ここから有名になっていく人っているんだなぁって、リアルに身近に初めて感じたバンドですよね、SAKANAMONは。ここでやっていることが繋がっていくんだなぁっていうのを間近で見せてくれた感じですよね。

樋口:今回、こうして新宿ロフトで共演するっていうことも繋がってるなぁって純粋に私は思いましたね、今のお話を伺って。

絶対的なロマンがある新宿ロフトで、音の熱波を届ける日に

──今回のイベントに出演する3組・それこそメメタァは『メメタァ×新宿ロフトの年末大感謝祭』を共催したりメメフェスの会場だったりで新宿ロフト・樋口さんとの接点を感じてますが、SAKANAMONとmeiyoさんにとって新宿ロフトはどんなきっかけから関係性が始まったのでしょう?

藤森:先に下北沢シェルターでお世話になっていて、それからロフトの何かしらのイベントに出たはずなんですけど…?

樋口:2010年にまずシェルターの対バンイベントがあって、記録ではおそらく2011年にロフトのステージに立ってるね。この頃のバンドマンは皆、若くて元気で、敵なしで失うものもなくて上しか見てない、ギラギラ感が半端なかった(笑)。メメタァは調べてみたらやっぱりまずシェルターで2014年で、最初のロフトが2015年。meiyoくんはワタナベタカシ名義で…。

meiyo:2018年だと思います。その前の何らかのロフトでの年末イベントに普通にライブを見に来て、僕が樋口さんに自分のCDを渡したんです。

樋口:そうだ、そうだったね!

meiyo:樋口さんのことは勝手に知っていて、ツイッターをチェックしていたんですよ。その頃、樋口さんがちょうどKANさんにまつわるツイートをしていて、自分もメチャクチャ好きなので“KANさんが好きだったらこれも聴いてください!”って言って自分のCDを渡しました(笑)。

樋口:その音源を聴いて、それで、新宿ロフトにも出て欲しいって連絡をして。そこからは定期的にライブをしてもらって。

meiyo:連絡をもらったときはメチャクチャ嬉しかったですね。ロフトというライブハウスには絶対的なロマンがありますよね(一同笑)。

樋口:ロマンがある!? 意外な言葉で、面白い〜!

藤森:ロフトと言えば、僕はどうしても打ち上げのことが一番最初に出てくるライブハウスですけど(笑)、本当に大好きなバンドさんたちが出てるのを見て来ていたし、最初に出られたときはやっぱりすごく嬉しかったのを覚えてますね。それとロフトはローディーさんがいるんですよ、ギターの弦が切れたりしたら変えてくれて。そんな手厚いライブハウスはないと思うんですよ。だからライブも安心して出来ますよね。

樋口:それはロフトがこの場所に移転してからずっとだから、24〜25年はもうずっとこのスタイル。だからそう言ってもらえると嬉しいよね。

藤森:ということでまとめると、新宿ロフトは、樋口さんと、打ち上げと、オムライスと!(笑)

meiyo:オムライスね〜!

西沢:あと、ロフトはやっぱり歴史がありますもんね。楽屋の廊下にいろんなアーティストのセットリストがバーっと貼ってあるんですけど…。

meiyo:絶対に自分の好きなアーティストを見つけられるよね。

西沢:いる! で、自分たちがワンマンをやらせてもらったときに、ロフトのスタッフさんがセットリストを貼ってくれたんですよ。それが本当に、すごく嬉しかったっていうのがありますね。自分で勝手に貼っても良かったのかもしれないんですけど(笑)、スタッフさんが貼ってくれたっていうのが。いやそもそも、貼ってある方々が錚々たる名前ばっかりなんで、自分からその上には貼れないっす(笑)。

meiyo:羨ましいな、いいなぁ、それ。自分にとってロフトはそれこそ、SAKANAMONを見に来たライブハウスでもあるし、ステージに立ってみるとデカい場所だし、絶対に越えなきゃいけない目標としてはロフトを埋めるっていうのをすごく思ってますね。

樋口:そういう思いって嬉しいな。さっきちょっと言ったけど、ロフトが新宿・歌舞伎町に移転して来年が25周年になるから、その節目でもこの3組にはお世話になれると良いなと思っているし、この先も今回みたいなイベントも作っていきたいなって思ってるから。

──そんな今回は、meiyo×新宿LOFT presents『aufgießer 1st set』と題して行なわれますが、このタイトルというのは…?

meiyo:最近サウナが好きになった組なんですけど、メチャクチャ行ってまして。サウナ界隈では定番ワードでドイツ語の“アウフギーサー”=熱波師っていう意味ですけど、音も波なので、我々で音の熱波を届けようっていう思いを込めました。

藤森:タイトルを聞いたとき、おぉお! って思いました。

meiyo:サウナにまつわる曲、SAKANAMONにありますもんね?

藤森:「OTOTOTOTONOO」(2021年)っていう曲ね。

西沢:ウチのメンバーはドラム(サンライズ太陽)とベース(カワギシタカユキ)がサウナ好きで。メンバーに教えてもらって、最近“ととのう”って感覚が少し分かってきました(笑)。

meiyo:お! 知ってしまったか!(笑)

藤森:僕は身体をほぐして上半身を柔らかくするためにサウナに行ってるんだけど、それで歌いやすくもなりました。だからライブ前には僕、絶対に行くようにしてます。

meiyo:へぇー、そうなんですね! 僕、今回のイベントでSAKANAMONとご一緒できるかも…という時点で自分の中で、絶対にサウナ系のイベント名がいいなっていうのは決めてたんですよ。

藤森:え! そんなふうに考えてくれてたんだ!

──サウナという共通項も知ったところで。この日のイベントについてはもう一つ、当日は学生証持参で2,000円(D別)で入れるのが良いなと思っていて。

樋口:そうなんです。やっぱり若い子にも見てもらうべき3組だと思うし、ロフトに来るまでは勇気がいる場所だと思う、繁華街の中でも。でもロフトの中に入るとすごく良い音楽が溢れてて安心だよ、っていうのをこの値段で感じてもらいたくて。

meiyo:自分的にも、このコロナ禍でTikTokとかでバズって、メジャーデビューしたっていう流れがあるので、自分の曲を知っている人は若い子たちが多いはずなんですよ。そういう方でも来やすいようにっていう思いです。

藤森:初めてのライブハウスってどうしても、勇気が要りますもんね。いろんなものを乗り越えなくちゃいけないし。

──ケータイ越しで音楽を楽しんでいる若い世代にはリアルで鳴っている音を感じてもらいたいなと思いますし、世代関係なくこの3組の対バンというのは他のライブハウスではまず見られないかと!

meiyo:本当にそう思います!

樋口:ロフトっぽさが出せたイベントになっていると思っているし、meiyoくんもちゃんと丁寧に、ライブハウスで草の根活動をしてきて今があって、そもそも私にCDを渡したところから始まってる。そういうふうに言えるものがちゃんとあるし、SAKANAMONとメメタァに関しては言わずもがな。見に来られる方も、新しい発見とか出会いがある可能性がすごくある日になると期待しています。

座談会を終えて

最初こそ緊張感からか硬い空気感でしたが、徐々に会話が弾んでいったこの座談会があったからこそ、イベント当日はあたたかい時間になるだろうと確信しています。SAKANAMONにはmeiyoさんから「ぱらぱらり」を当日やって欲しい、というリクエストがあって“その曲は出来る! やる!”と藤森さんが即答したかと思えば、西沢さんが「LIKES」をリクエストするや“この曲は難しいんだよな〜…(笑)”なんて会話もあったり。さてどんなセットリストになるか、三者ともに楽しみです! さらに別れ際、“この日限りのセッションが見られたら良いな〜”とmeiyoマネージャーがポロリと言った言葉に3人が反応! “みんなが知ってる曲をカバーしようか”などアイディアを出し合って帰ろうとしない(笑)、最終的には3人でLINEグループを作って解散となりました。推測ですが現在、絶賛やり取り中では…? と思います。ということでこの日限りのスペシャルな何かもあるはず!? ぜひ、6月8日は新宿ロフトに遊びに来てください!

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