茨城県補正予算案79億2400万円 産業構造転換に重点

補正予算案について説明する大井川和彦知事=県庁

茨城県は31日、6月の県議会第2回定例会に提出する2023年度補正予算案を発表した。一般会計に79億2400万円を増額する。原油価格や物価高騰の影響を受けた事業者などへの支援に加え、産業構造の転換を促す施策を柱に据えた。大井川和彦知事は「産業の構造転換を支えるため、創意工夫を示した予算」と説明した。

補正後の一般会計は1兆3001億1700万円。重点配分した原油価格、物価高騰対策は77億9900万円を計上した。このうち、事業者や生活者支援に48億8700万円、事業構造の転換支援に29億1200万円をそれぞれ盛り込んだ。

事業者支援では、光熱費など負担が増大する医療機関に価格上昇分の2分の1を6カ月分補助。病院や診療所のほか、薬局、施術所、助産所など計6518施設を対象に運営の健全化を支える。福祉施設や私立学校を対象とした同率の補助も実施する。

交通事業者へは乗り合いバス1台当たり1万5千円、貸し切りバスとタクシーは同5千円などを補助する。国の電気料金支援の対象外だった特別高圧契約で受電する中小企業などにも1キロワット時当たり3.5円を6カ月補助するほか、県立学校47校に、価格高騰分相当の給食1食当たり20円を支援する。

事業構造の転換を促す支援策では、アフターコロナのインバウンド(訪日客)の観光需要の取り込みなどを支援する。古民家改修やデジタルトランスフォーメーション(DX)導入などの環境整備事業に最大5千万円、新たな企画・アイデアなどのコンテンツ造成に同2千万円を補助し、高付加価値化を後押しする。

このほか、輸入飼料から国産飼料への転換を目指し、食品残渣(ざんさ)の飼料化に向けた機械導入や飼料の生産拡大支援に2億3900万円を計上。リスキリングに取り組む県内事業者には、資格取得の受験料や講座受講料の一部補助するため2400万円を盛り込んだ。

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