公衆浴場、鼻の下まで浸かった男性 声かけるも反応なし 湯船から引き上げ通報、応急処置 茨城・大子

高梨哲彦町長(左)から感謝状が贈られた清野和之さん(左から2人目)=大子町北田気の町役場

■町が日立の男性に感謝状
公衆浴場の湯船で意識もうろうとなり、溺れかけていた男性を救助したとして、茨城県大子町は24日、同県日立市森山町の清野和之さん(80)に感謝状を贈呈した。

同町消防本部によると、3月3日午後9時ごろ、清野さんは宿泊先の同町内の公衆浴場で、湯船に浸かったまま様子がおかしい高齢男性に気付き、引き上げて救出した。清野さんによると、「(男性は)鼻の下までお湯に浸かっていて、体が傾いて目を閉じていた。心配になり、声をかけた。呼吸はしていたが、反応がなかった」という。

すぐに宿泊施設の事務室に知らせ、湯船から男性を抱えて脱衣室まで運んだ。119番通報で同本部の救急隊が駆け付けるまで、体を拭くなどの応急処置も手伝った。

同町北田気の町役場内で行われた贈呈式に、清野さんは妻、正子さん(78)と出席。鈴木一宏町消防長、菊池正美大子消防署長が同席する中、高梨哲彦町長から「勇気ある行動で1人の命が助かった」とたたえられた清野さんは、「次の日(男性の奥さんが)お礼に来られて無事だと知った。本当に良かった」と話した。

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