千葉県内で危険なカメ発見相次ぐ 船橋でカミツキガメ、多古でワニガメ 生息域拡大を懸念

海神川で見つかった幼体のカミツキガメ(船橋市環境政策課提供)

 千葉県内で人に危害を加える恐れがある危険なカメの発見が、通常は生息していない場所で相次いでいる。多古町では31日、「特定動物」のワニガメを町内で初めて捕獲。船橋市では今月、「特定外来生物」のカミツキガメ計3匹が発見された。地元自治体は生息域拡大などの可能性も懸念している。

 多古町で見つかったワニガメは、甲羅の大きさが55センチ。31日午前8時ごろ、同町常磐地区の農業用水路で住民男性から町へ連絡があった。ワニガメは北米原産で、あごの力が強いため、かまれると危険。映画「大怪獣ガメラ」のガメラのモデルとして知られている。

 町は印旛沼流域などから移動してきた可能性を含めて、経緯を調べている。

 船橋市内で今月見つかったのはカミツキガメ3匹。このうち、2匹(いずれも甲羅の長さ24センチ)は生息域とされる印旛沼とつながっている坪井近隣公園の池で発見された。

 一方で、1匹(同4センチ)は印旛沼流域以外の同市海神町の海神川で発見。同市環境政策課の担当者は、「生息域を広げている可能性がある」と指摘している。

 カミツキガメは 本来北米から中南米に生息するが、1960年代にペットとして多く輸入され、飼いきれずに捨てられて野外で繁殖。特に印旛沼流域での大量繁殖が問題となっている。陸に上げると凶暴になり、瞬時に首を伸ばしてかみつく行動に出る。

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