ワイル病の病原体発見も早世 医師・井戸泰の生涯を漫画に 小学生の発表を原案に/岡山・奈義町

岡山県奈義町出身の医学博士・井戸泰(1881〜1919)をテーマにした漫画を町教委が発刊した。ワイル病(黄疸出血性スピロヘーター病)の病原体を発見し、帝国学士院恩賜賞を受けながら、37歳の若さで病に倒れた生涯にスポットを当てている。

タイトルは『顕微鏡の中の星 医師井戸泰ものがたり』。コロナ禍の不安な生活を送る小学3年生の主人公が、自由研究で井戸博士について学ぶストーリーで、診療と研究に奮闘した生きざまを中心に町在住の漫画家・あさののいさんが親しみを感じるタッチで描いている。

原案は同県津山市の2021年度「図書館を使った調べる学習コンクール」で最高賞を受けた同市の北小5年・大重望君の発表を採用。井戸博士の孫で内科医の井戸清仁さん(同市)、大重君の父で内科医の和樹さんらを加えた制作検討会が医学的な内容、公募した地元小中学生による制作こども検討会が人物設定などを練り上げている。

B6判104ページ、1000部を作製。町内の小中学校や県内の公立図書館などに配布したほか、町文化センターで希望者に無料配布している。

問い合わせは、同センター(☎0868-36-3034)。

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