「静岡県は一貫してリニアに賛成」期成同盟会初参加の川勝知事 参加者から「反対同盟会でない」と皮肉も

リニア建設を促進する期成同盟会の会議が5月31日、開かれました。川勝知事は「静岡県は一貫してリニアに賛成している」と強い口調で述べた一方で、静岡県が抱える課題への理解を求めました。

<植田麻瑚記者>

「今、川勝知事が会場に姿を見せました。定例会としては初めての出席。どんな話をするのでしょうか」

愛知県や山梨県など、リニア建設促進を目指す沿線の自治体が参加する期成同盟会。2022年7月に参加した川勝知事は定例会として初めて出席しました。

<静岡県 川勝平太知事>

「静岡県は一貫してリニアに賛成しています。リニアの技術は日本の誇るものであり、これを次世代に継承・発展をさせていかなければならないと思っております」

冒頭のあいさつで、「一貫してリニアに賛成している」と強い口調で述べた川勝知事。その後、大井川の水問題や土の置き場の問題について具体的な数字を挙げながら現在の静岡工区の課題について説明しました。

<静岡県 川勝平太知事>

「これらを合理的に解決すれば何の支障もないということでございまして、ぜひ皆様方のお知恵を拝借させていただきながら、リニアの成功に向け私どもも協力したい」

しかし、参加者からは静岡工区だけ着工が出来ていないことについて皮肉と捉えられるような言葉も…。

<自民党リニア特別委員会 古屋圭司委員長>

「期成同盟会の正式名称は『リニア新幹線建設促進期成同盟会』とありまして、『建設反対期成同盟会』ではないので、同じ土俵に立って沿線知事一体になって頑張っていただきたい」

<山梨県 長崎幸太郎知事>

「静岡工区における大井川の減水対策案については早期に水問題の解決に向けた関係者間の協議が整い、速やかに工事が着工されることを山梨県としても強く、強く期待するところでございます」

山梨県で行われているボーリング調査を巡っては、県が地下水の流出を懸念し、JR東海に対し、県が合意するまで工事の中止を求めています。山梨県の長崎知事は、この問題について期成同盟会のメンバーと意見交換する場を設けてほしいと提案し、事務方レベルで協議に入ることになりました。

会長の大村知事と副会長を務める川勝知事ら5県の知事はその後、国交省を訪れ、古川康政務官に静岡工区の早期着工などを求める要望書を提出しました。

<愛知県 大村秀章知事>

「古川政務官からもしっかり取り組むという前向きな意思表明・決意をご披露いただいた」

<静岡県 川勝平太知事>

「大村会長のリーダーシップのもと、研究会が建設的に行われるのを切に願う」

川勝知事はその後、自民党のリニア特別委員会に出席。会議後の取材に対し、31日の一連の動きは非常に価値があったと総括しました。

<静岡県 川勝平太知事>

「我々が持っている情報を共有することができる。それが決まったと、非常に大きいと。期成同盟会入った大きな価値がある」

膠着状態が続くリニア問題…他県の知事らは静岡工区の早期着工を強く求めていますが、川勝知事のゴーサインはいつ出るのでしょうか。

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