夜の神戸大キャンパスで驚きの発見、新種の「コウベアメバチ」 ハチの進化ひも解く貴重な研究

神戸大六甲台キャンパスで見つかった新種のハチ「コウベアメバチ」(神戸大提供)

 神戸大は31日、神大大学院農学研究科の前藤薫名誉教授と、元同科研究員で日本学術振興会特別研究員の清水壮さんが、神大六甲台キャンパス(神戸市灘区)で新種のハチを見つけたと発表した。採集地にちなんで「コウベアメバチ」と命名した。

 夜行性の寄生バチ。体長約15ミリで、スズメバチなどと比べると触覚が長く、体が平たいのが特徴という。

 前藤名誉教授は主に寄生バチの仲間を研究しており、コウベアメバチは2015年4月の夜、六甲台第2キャンパスの外灯周辺で採集調査をしていて、当時の教え子が1匹を採集した。

 形を調べるだけでは正体が分からず、DNAの配列などを精査。16年5月には和歌山県紀の川市の山中でももう1匹見つかり、今年5月26日、国際専門誌で新種として発表された。

 今回の発見は同じ種類のハチの進化について考える上で貴重といい、前藤名誉教授は「六甲台という人の影響の強い場所で見つかったのは驚き。身近な環境の自然の豊かさを示している」と話している。(大橋凜太郎)

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