5月27日土曜日、鉄道ファン注目の運転体験イベントが愛媛県松山市で開かれました。県内のほか、奈良や京都からも参加。大興奮のイベントにカメラが入りました。
伊予鉄道が企画したこちらのイベント。5月と6月に合わせて2日間、開催されますが、ホームページで募集をかけた直後、満員御礼に。20人が抽選で選ばれたそうです。この日は、愛媛県内のほかに、関西からも鉄道ファンが駆け付けました。
参加者の男性 「今日は奈良から。この運転体験のために来ました。伊予鉄は初めてなんですけど、運転体験はしたことがあります。路面電車とか機関車とかディーゼル車などいろいろ」
仕事を終えたあと、フェリーで松山入りしたという男性。なかなか強者のようです。
運転士「いきなり、いけます?経験があるようなので」 男性「では、行きます」
指導役の運転士もお墨付きでしょうか。早速、お手並み拝見です。
電車はスムーズに動き出しました。順調にスピードを上げていきます。そして、停車。
運転士 「もう少し手前から止まってもらうと、実際の運転に近づく。感覚自体は、ある程度分かっているので」 男性 「ありがとうございます」
いかに車両を揺らすことなく停車させるか、そのブレーキの加減が、とっても絶妙のようです。
男性 「なかなか、初めての車両で感覚が難しい」
運転士の見せる鮮やかなブレーキに、皆さん釘付けです。
松山市内から参加したこちらの男性。真剣な表情で運転に望みます。そして…。
男性「たまたまです」
電車は停止位置ぴったり。お見事です。
続いてこちらの男性は。
男性 「京都からです。現役で電車の運転士をしています」
なんと、関西の私鉄の現役運転士。帽子も用意して、京都からの参戦です。
運転士「…もう動かし方がプロ(笑)」
まさかの“同業者”の登場に、伊予鉄道のベテラン運転士も“指導拒否”。
「緩みが結構抜けてますよね」 「ですよね」 「かなり抜けている」
飛び交う専門用語。盛り上がる話題も、もはや業界のそれです。
古町駅構内の、約100メートルの区間を往復する形で行われた運転体験。参加者は、それぞれに満喫していました。
注目を集めていた現役運転士の男性は、お土産に鉄道グッズを買っていました。
現役運転士の男性 「酒を飲みながら眺めようと(笑)」
ところで今回の運転体験で使用された、伊予鉄道の電車。こちらは今から40年余り前、京都市の市電が廃止されるのに合わせて譲り受けた車両なんです。
京都から参加の男性 「(京都の)市電が無くなってから生まれ育った世代だが、家族がみんな乗っていたので。それに惹かれて、運転体験に申し込んだんです。実際に京都で家族が乗っていたのだと思うと、思い入れがあって、何となく懐かしい感じです」
伊予鉄グループの担当者は、今後も運転体験などの催しを企画したいと話していました。