南足柄・津島観音堂、本尊初の一般公開 6月3日に33年ぶり大開帳

33年ぶりの大開帳が行われる千津島観音堂=31日、南足柄市千津島

 安産と子育ての観音菩薩(ぼさつ)として古くから信仰されている南足柄市千津島の「千津島観音堂」で6月3日、33年ぶりに大開帳が行われる。本尊が一般来場者向けに公開されるのは初めて。地域で長年守ってきた観音像の存在を広く知ってもらおうと公開に合わせ式典なども企画しており、祭典委員は「貴重な機会。ぜひ拝観してほしい」と呼びかけている。

 天福寺境内にある千津島観音堂は室町時代以前、千津島の名主・瀬戸文左衛門の祖先が難産で亡くした妻子の供養のために建立したと伝わっており、明治初期の火災を経て1891年(明治24年)に修復・再建された。堂内の格天井には再建に尽力した人の家紋などが記された「板絵」が飾られ、小田原市や秦野市など足柄平野一帯で親しまれていたことが分かる。

 同市千津島自治会が観音堂を管理しており、17年に一度中開帳(前回は2006年)、33年に一度大開帳を行っているが、これまでの開帳時に本尊を見ることができたのは自治会役員など一部に限られていた。

© 株式会社神奈川新聞社