新会館7月本格供用 富山県医師会、6月18日竣工式

6月完成予定の新たな県医師会館=富山市内

  ●建設費10億円、3階建て 県有地の現会館は解体

 富山県医師会が富山市黒崎で建設を進めてきた新しい「県医師会館」が、7月中旬から本格供用する見通しとなった。今月18日に竣工式を行う。鉄筋コンクリート造りの3階建てで建設費は約10億円。老朽化などの課題を抱える現在の会館と比べ、使い勝手が良くコンパクトな建物とし、新型コロナウイルス禍を経て普及が進んだオンライン会合に対応できる設備を整えた。医師の資質向上のための研修や会員の意見交換などに活用し、県民の健康に寄与していく。

  ●跡地活用は「今後検討」

 現在の会館(同市蜷川)の土地は県有地で、県医師会が建物を解体する。跡地活用について県健康課は「今後検討していく」とした。

 新しい県医師会館は延べ床面積約2600平方メートル。整備地は現会館から距離約250メートルの元農地で、県医師会が所有者から購入し、昨年5月から建設を進めていた。北陸自動車道富山インターチェンジや富山空港に近く、現在の会館の2倍以上となる約100台分の駐車場を備える。

 1階に約180人を収容できる大会議室を設け、日々進歩する医療の技術や知識を学ぶ研修や、講演会などでの使用を想定している。各階に事務室を整備し、現在の会館に入居する県医師協同組合や県医師信用組合などが移る予定。県医師会は3階に入る。

 県医師会が関わる会合もリモートと会場参加の併用が増えており、新会館では両方に対応するための機器をそろえる。配線類を床下に収納できるようにし、職員の働きやすさに配慮する。外観は窓ガラスを多く配置し、自然光を取り入れられるようにした。

 現在の会館は地上4階、地下1階建て、延べ床面積約3700平方メートルで、合掌造りのような外観が特徴。1981(昭和56)年に建設され、大規模補修も行っている。ただ、建設当初から地下の湿度が高く使用できない部屋があるほか、屋根の形状の関係で、有効活用しづらいスペースが多いなどの課題が指摘されていた。

 新会館は無駄な空間を減らし、建物自体の規模も縮小して維持管理費の削減を図る。県医師会では10年ほど前から建て替えに向けて資金を積み立てており、今回の建設はほぼ自己資金で賄った。

現在の県医師会館=富山市内

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